[携帯モード] [URL送信]
雲雀はなみだ








ちなみに俺は"男"の時は男子トイレ、"女"の時は女子トイレにちゃんと入ってる

綱吉に(半強制的に)校内の案内を頼んだユキは、ふとそんな事を考えた



「ここが一番近いトイレだよ。大体各階の階段横にあるから」

「ふうん、了解」



トイレの場所を教えてもらって、どんどん先に進む

とりあえず漢字が読めないもんだから、入り口にある表札を見ては綱吉に聞くを繰り返していた



「これは?ココロ、は読めるんだけど」

「オウセツシツだよ。ここはパスで‥‥」



応接室を前に顔色を変えた綱吉

不信に思って首を傾げていると並中の制服ではない、学ラン少年が現れた



「ヒッ、雲雀さん!!?」

「ヒバリ?」

「やぁ沢田。毛色の違う動物を連れてるね。まさか、群れてる訳じゃないよね?」



綱吉が怯えて、小動物になってた

この雲雀という人物はファミリーの中に名前はあがってなかったが、かなりできそうだ


うーん、何だっけ?

こういう奴の事を言うのにぴったりな日本語があった筈なんだけど

学校の生徒を仕切ってる奴のこと何て呼んだっけ?



「あっ!思いだした!」

「なにを?(余計なこと言わないでユキっ!!!)」



綱吉の心配を余所に、ユキは自信満々で言い放った



「番長!」

「言い方が古いね。それに僕は風紀委員の委員長だよ」



少しムッとした雲雀に綱吉は青くなる

ユキは委員長?と頭に疑問符を浮かべていて、雲雀の機嫌を損ねたことに気づいていないようだった

雲雀の瞳がギラリと光る



「ふうん、君は、噛み殺そうかな?」

「ちょっ、待って下さい!雲雀さん!!ユキは日本語が出来ないだけで悪気はないんで、すぅーっ!!?」

「げっ、綱吉!」



口を出した綱吉が先にやられた

どこからともなく出てきたあれは、トンファー


―ビュンッ



風を切る音が重い

かなり使い込んでいるらしいと、ユキは判断する



「っ‥、神秘だぜ」

「う゛うぅ、ユキ、逃げるよ」



呆然と雲雀を見ていたら、綱吉が手を掴んで言った

あ、でもアイツ逃がしてくれそうにないよ?

ほら



「「ぎゃー――っ!!!!」」





―暗転










「応接室はパスって、こういうことかぁ」

「うん」



気づいたら教室に捨てられていた

放課後だったからもう誰も居ない

ただラッキーだったのは、二人とも下校時刻前に起きられたことだ



「帰ろっか」

「なぁこれもしかして、下校時刻過ぎても教室居たら、またアイツに殴られてた?」



ユキが尋ねると綱吉は青筋たてて苦笑した

それに苦笑いを返す


二人はそのまま門へ走った





2009.10.15.


[*前へ]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!