[携帯モード] [URL送信]
転校生はイタリア人





まったく

あんなに簡単に沢田と知り合えるなら、入学手続きしなきゃ良かった

並中の門をくぐりながらユキは欠伸をかみ殺す

担任への挨拶を済ませると、ちょうど窓の外に綱吉を見掛けた



「それじゃ先生、あとはクラスメートとよろしくやりますよ」

「そうか?」



不思議そうな担任を尻目に、ユキは職員室を出て階段を降りていく

外に出ると綱吉を待って声を掛けた



「Buongiorno!綱吉」
「おはよう御座います!十代目ぇっ!!」



かぶった

かぶったよ

なんだコイツ?


そう思ったのはお互い様のようで、、顔を見合わせて睨み合った



「お、おはよー、二人共」

「Buongiorno.誰こいつ」
「おはようございます。誰っすかこいつ」



またかぶった


一触即発状態に陥った二人を前に、綱吉は頭を抱え込む

イタリア人て喧嘩っ早いんだろうか、なんて考えている内に何時ものダイナマイト登場

睨み合った二人は言い合いの真っ最中だ



「テメー、コラ。十代目を呼び捨てたぁいい度胸じゃねえか、あ゙ぁ゙?」

「なんて呼ぼうが人の勝手だろ?てか、ダイナマイトなんて出すなよ。警察呼ぶか?」



呼ばないでっ!!

言いながら携帯を取り出したユキの手を綱吉はひっつかんだ



「ちょっ、こっち来て二人共!!」

「わ、わ、待てって」

「待って下さい、十代目!」



目立つ二人に人だかりになりそうなところを、綱吉は二人を校舎の中に誘導する

二階まで一気に駆け上がり教室の前で止まった



「綱吉って足けっこう早いな」

「え、そう?‥‥って違くて!警察なんて呼んじゃ駄目っ!ダイナマイトもしまって!!」



綱吉の言葉にそそくさとダイナマイトをしまう銀髪

ああ、そうかこいつが獄寺隼人、スモーキングボムか


ふっとそこまで考えて、ユキは戦力には十分かと隼人を見据えた



「あ゙ぁ゙?なに見てんだよ」

「ちょ、獄寺くん駄目だって!」


「はい!十代目」



綱吉が止めればすぐに止めるのか

忠誠心も持ち合わせてるらしい

六道の取り巻きの中でも柿本千種か城島犬、どっちかと当たるかな


ユキが頭の中で戦力計算をしていれば、綱吉は不思議そうにこちらを見ていた

変な顔でもしてた?



「あのさ、ユキはなんで此処に」

「あ、先生来たみたいだぜ?行けよ。またな」



質問には答えず、くるりと綱吉を教室の中に押しやって、文句を言う獄寺も教師を理由に押し込める

だって驚かしたいじゃないか



「十代目、何なんすかアイツ?」

「え?知り合い?(押し倒したとか言えないよ‥‥ι)」



すぐに入ってきた担任の後ろからユキも入ってきた事に気付かず、綱吉は隼人に曖昧な返事をした

ユキの素性だってマフィア絡みなのだ

隼人に明かせばどうなるかぐらいは想像がつく



「十代目!心配しないで下さい!付きまとわれてるようなら俺がコレで」

「やめて!」


「何を止めて欲しいんだ、沢田?転校生が居るんだぞ?静かにしろ!」



転校生?

やっと前を向いて綱吉は絶句する



「Ciao!綱吉」

「、ユキ?転校‥‥って」



想像通りの綱吉の反応に、満足したように笑うユキ

それにクラスの女子が黄色い悲鳴を上げて、教室の中は騒然となる



「ヨロシクな、綱吉」



無駄に笑顔を振り撒くユキに、綱吉は頭を抱える

ご、獄寺くんが増えた


ちゃっかり綱吉の左隣りをキープしたユキを見ながら、綱吉はなんで自分ばっかりこんな目に会うんだと、多分、きっと

リボーンを恨んだ




2009.10.15.


[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!