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命の保障をと風は乞うた








驚いた

驚いた驚いた
驚いた驚いた、驚いた


女の子になった




「‥‥見るなよ」

「え、ご、ごめん」



睨んで凄めばわたわたと後ろを向く沢田綱吉

それを面白そうに見て笑ったアルコバレーノ、リボーン



俺は多分、人生最大の失敗を侵した

ファミリーが潰されてから生きる為に常に他人を疑い欺き続け、身を守ってきたというのに

動揺していたとはいえ、一瞬の油断で拘束された

しかも薬まで盛られるとは
(俺の身体はデリケートなの!)

だがもう、なるようにしかならない


そう覚悟を決めれば、目の前の赤ん坊は可笑しな事を口にする



「面白れーな、お前。ボンゴレに来るか?」



突拍子もない

ボンゴレのアルコバレーノというのは随分と傲慢なんだな

そう思い、ユキは少し笑った



「そいつは魅力的なお誘いだけどね、俺にはやんなきゃなんない事があるんだよ」

「そいつはなんだ?」



随分と簡単に聞いてくれるが、自白剤の成分は"性転化"のお陰で消えているのだ

むざむざと教えてやる義理はない


だが、‥‥‥‥‥

逡巡の後、ユキはひとつ提案することにした



「‥‥‥‥言ってもいい。これはボンゴレにも関わりを持つ話しだからな」

「‥‥‥‥」


「その代わり命の保証が欲しい」



真っ直ぐに言い放ったユキに今度はリボーンが逡巡する


たとえ言わなくても、殺さない、とは思う

俺はボンゴレを敵にしている訳ではないし、寧ろこの状況ならボンゴレの味方ともいえるだろう



「どうする?」



再度尋ねればニコリと笑われた



「交渉成立だな」

「いいのかよ、リボーン。大丈夫なの?」


「コイツが危険じゃねーって言ったのはお前だぞ、ツナ」


結構軽く保障を得られたが、味方してくれてた筈の沢田綱吉が余計なことを

心の中で軽く舌打ちすると、ユキは笑顔を取り繕った



「それはさ、俺の話し聞いてからでも遅くないんじゃない?こっちとしてはボンゴレに手を出す気はないんだから」

「そうだな」



リボーンが頷く

が、綱吉が乗り出す



「だから俺はマフィアになる気はないって言」

「まだそんな事言ってやがんのか」



綱吉の言葉を遮って、リボーンは今日何度目かの蹴りを繰り出した




2009.3.12



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