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秘密はバレると虹は笑った








「再教育してやる」



赤ん坊は拳銃を沢田綱吉に向け、その光景にユキは思わず口癖を言う


神秘だぜ



その発言に赤ん坊が振り向いて、息を飲んだ

殺気だ

この赤ん坊、こいつが噂のアルコバレーノか

本当にあの少年がボンゴレの十代目候補で間違いないらしい



「おめぇ、誰だ?ここで何してる」

「‥‥いや、なんか、その、そこの沢田綱吉に連れて来られたんだけど?いや、その前にランボとかいう牛柄の子供と遊んでて」

「リボーン!ランボの十年後バズーカが暴発しちゃったんだって!ていうか蹴るなよー!!」



―ドカン

うるせーと一蹴された綱吉は再び床を舐める

リボーンの興味はユキにあるようだった



「で?なんでツナに押し倒されてたんだ?」

「!!、それはっ、十年後のそいつに聞けよ!!ここに連れて来たのも押し倒したのもアイツなんだからな!」



あー、駄目だ!当初の目的は沢田綱吉の顔を確認することだったのに、なんでこんな事になってんだか‥‥。十年後バズーカが実在してたとは知らなかったし。


悶々と考え出したユキ

そんなことはお構いなしに、今度はユキの額に銃が突きつけられた



「冗談だろ?」

「冗談じゃねーぞ」



手を上げてみるが、銃口がそれることはない

嫌な汗がユキの頬伝った



「オメー、ヒットマンだろ?」

「!、‥‥なんで?」


「赤ん坊の持つ銃なんてジャッポーネは玩具だと思うもんだ。オメーは銃にも殺気にも反応したからな」



しまった。そこまで考えてなかった。あーあ、だからO型だって言われんだよな。超大雑把。


ちらり

窓と扉に目をやるが、その前に動けそうにない



「無駄だぞ。全部吐いてもらうからな」

「う、え?」



アルコバレーノの帽子に乗っていたカメレオンが形を変えてユキに巻きついた

驚いてユキが声を上げた瞬間、口に何か入れられる



「ゲホッ、ゲホッ‥!な、何を」

「ちょっ、リボーン!」

「ツナは黙ってろ。これがマフィアのやり方だ」



意識が、浮き上がる

自白剤?


目の焦点が合わず、必死に定めようとするが出来ない

ユキの苦しそうな様子に綱吉は声を上げた



「リボーン!!やめてよっ!」

「こいつはヒットマンだ。お前を殺しに来たんだぞ?」



殺すという単語に綱吉は息を飲む

でも違う


人を殺しに来た人間が、子供と遊んだりするもんか

この人は、別に殺しに来たわけじゃない



「違うよ、リボーン。だってこの人俺のこと警戒してるし」

「‥‥‥オメーが違うって思うのか?」



リボーンの問いに、綱吉は頷いた



「ボンゴレの血か」



blood of bongola

またの名を超直感


かろうじてそれだけ思い出して、ユキは目を閉じる


ヤバい、来る。

薬のせいだろう、新陳代謝とか多分神経系にも色々影響してる



「‥ハァ‥‥」



苦しそうな息を吐くと、リボーンは不思議そうな顔をする

苦しませるような薬じゃない

ただ精神を解放して喋りやすくするだけの薬で、むしろ快楽的なものなのだ



「大丈夫か?そんな強い薬じゃねーぞ」

「ま、間違えたんじゃないだろうな?」



机の上で足を組んでるリボーンに対して、不安そうに覗き込んでくる綱吉


あんまり見るな!

そう思いながら体の変調に耐える


耐えるけど、もう、無理だ



「くそ、も、駄目だ」

「え?」



ユキの身体の変化に二人は目を見張る

自分の意思での変化じゃないからおかしな感じがした



「こりゃあ、ぶったまげたな」

「え?えええーっ!?」



なんで十年後の沢田綱吉が俺の能力を知ってたかって

こういう事か





2009.1.25



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