遊んでもらうにはどうしたらいいですか?
新しい部屋をもらった
新しい靴をもらった
新しい服をもらった
ヴァリアーの黒い隊服に袖を通すと、ブーツに足を突っ込んで部屋を後にする
ぐるぐるグルグル
縄張りはチェックしておかないと
しばらくウロウロして、ふと見知った人物を発見する
「スクだ」
「あ゙?あぁお前かぁ」
ちょうど大広間らしき部屋から出てきたスクアーロ
その額からは血が流れ、銀髪を紅く染めている
「怪我してるよ」
「あぁ、大したことねぇぞぉ」
(↑案外、仲がいい。)
手を伸ばしたがまったく届かなくて、スクアーロの鼻の下あたりを叩いてしまった
「う゛ぉおおい」
「中でなにやってたの?」
止めろという意味で掴まれた手をそのままに、キアロは中をのぞき込む
「待てっ、今はまずい」
「キャンッ」
―ドサァッ ガタンッ
飛んできた椅子に当たってキアロが廊下に倒れ込んだ
慌てて起こすとムスッとして立ち上がる
「痛い」
「う゛ぉおおい、怪我ねぇのかぁ?だから入んなって言っただろぉ」
軽く髪の毛を払ってやると、睨みあげてきた
心配してやってるってのになんて態度だ
襟首を掴みあげてやろうかと思っていると、次の瞬間、突拍子もない言葉がキアロから飛び出た
「ズルい!!」
「?、はぁ?お前なに」
「スクアーロばっかりボスと遊んでもらってるなんてっ!!!」
「ばっ、あれの何処が遊んでるってんだぁっ!?」
思わず条件反射的にキアロの襟首を掴みあげ、スクアーロは怒鳴り散らした
バタバタと暴れるキアロはスクアーロの胸元を叩く
「スクばっかり!ボスは全然これと遊んでくれない!」
「だから違うって言ってんだろうがぁっ!!!痛てぇっ!」
前回の如くスクアーロの腕を抜け出すと、XANXUSの居る部屋へと飛び込む
「ボス!これと遊んでっ!!!」
「あ゙ぁ゙?」
―ガツッ
慌てて後を追ったスクアーロが見たのは頭にグラスをぶつけられたキアロの姿
しかもめげずにXANXUSの方へ向かっている
「ボス!」
「‥‥‥‥‥‥」
酒瓶までも投げつけられたがキアロはXANXUSの足元に収まった
あれはまずいだろ
―ドガッ
「キャンッ」
「邪魔だ」
XANXUSに蹴られたキアロは部屋の隅まで転がっていく
それで気を失ったようだ
キアロはピクリとも動かなくなった
「う゛ぉおい、加減してやれぇ」
「‥‥‥、ハッ」
鼻で笑ったXANXUSがそのまま部屋を出て行った
するとキアロが頭を擦りながらムクリと起き上がる
「大丈夫かぁ?だから遊んでるわけじゃねぇって言っただろうがぁ」
「大丈夫。これはけっこう丈夫」
言うとさっき蹴られたのが嘘のように立ち上がって歩き出した
本当に丈夫らしい
「ねぇ、スク」
「あ゙ぁ?」
自分のところまで来たキアロを見下ろす
キアロは首を傾げながら、また突拍子もない発言をかました
「スクみたいにボスと遊んでもらうにはどうしたらいい?」
「だから遊んでねーっつってんだろうがあぁ!!!」
2009.3.10
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