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『聖夜の星に願いを……』














「土方さん、遅いなぁ」


僕は、寒空の下、土方さんを待つ。
かれこれ一時間は経過していて、コンビニで買ったホットのミルクティーも気休めにしかならない。


「どうせ、あのひとのことだから、また仕事でもしてるんだろうけど。自分で呼び出したクセになぁ」


思わず、悪態が口をついてしまう。
そして、暇を持て余した僕は、後ろを振り返る。


僕の目に映ったのは、大きなクリスマスツリー。
その頂上には、これまた大きなお星さまがキラキラと輝いている。


その下を行き交う、たくさんの恋人たち。
みんな、その表情は楽しそうだ。


実は、ここって、この街でも有数のデートスポットだったりする。
なんでも、この大きなお星さまの下で愛を誓い合うと、その愛は永遠だとかなんとか……。
まぁ、僕にとっては、どうでもいい話なんだけどね。


だけど、この大きなツリーとお星さまは、けっこうすきだ。
だから、人ごみはすきじゃないけど、ここは嫌いじゃない。


「ふふ。そーいえば、初めて土方さんとクリスマスを過ごしたのも、ここだっけ」


僕は小さく微笑む。
そして、懐かしむように思い出の世界へと足を踏み入れた。






















それは、今からちょうど10年前のクリスマスの夜の出来事。


まだ小さかった僕が、クリスマスの街に散歩に繰り出したときのお話。




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あきゅろす。
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