Evidence
真実
あれからナルトには会っていない。
そして今、あたしは晴れてあの家から出て小さなアパートで１人暮らしを始めた。
が、まだ完璧に荷物が揃っていないので家にはどうせ戻らなければならないのだが。
来週からはついに任務が始まる。
クナイや手裏剣や、武器はみなあの家に置いてある。
特別やることもないし、今は父が家にいる時間帯でもないのでしぶしぶ家に戻ることにした。
「なんだ、今だに帰って来るのかお前は。」
帰ってそうそう父に出くわした。
なんて運がない。
今日は休みなのか。
「武器を取りに帰ってきました。」
「そうか。」
全く興味がないというように父は顔を背ける。
あたしも父を無視し背を向けた・・・その時。
父の足が持ち上がる。
あたしはそれに気づきサッと距離をとった。
蹴られる寸前だった。
父は口角を上げる。
「ふっさすがにミハルの子どもだけあってスピードはあるんだな。」
「ミハル？」
聞いたことがない名前にあたしは顔を歪めた。
「なぁ、オレがお前にこんなに冷たく当たるか分かるか？」
父が無表情で睨みつけてくる。わずかに感じられる殺気。
とっさに危険だと感じた。
「血がつながってないから。」
そう答えると父は笑みをこぼす。
「ああ。でもそれだけじゃねぇ。お前の実の父はオレから最愛の人を奪ったんだ。」
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