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Evidence
合格、不合格



今日はいよいよ卒業試験の日。
あたしの胸は弾む。

「よし。八城美里、合格。」
イルカ先生が微笑んだ。

卒業試験の内容は分身の術だった。
ナルトは大丈夫だろうか。

受かったことをいち早くシカマルに告げる。
シカマルは微笑んであたしの頭を撫でた。
だから真似してしかまるの頭も撫でてやった。
「合格おめでとー!」

そうやってじゃれあっているとやはり女子からの視線は激しく来る。

どうせくだらないことでも妄想しているのだろう。


シカマルは命の恩人だけど、別に好きとか嫌いの関係じゃない。

「親友」というものなんだろうと思う。

サスケに目をやるとやはり女子達が群がっていた。
「まあ、サスケは合格だろうけど問題はナルトだよね。」

「だな。」

シカマルは頷く。

それからすぐにナルトは落ちたとの噂が入った。




「ナルト。隣いいかな?」
返事を聞かずに隣のブランコに座った。

やったね!などとクラスメートの歓声がうるさいほどに聞こえてくる。

そんな歓声を聞けば聞く程ナルトの声が曇っていくのが分かった。
ナルトはずっと黙ったまま。

「ナルト・・・。」
あたしがそう声をかけナルトに触れようとして手を伸ばす。

「ほっといてくれってばよ!」
ナルトはなんとも悔しそうな表情であたしの手を払った。

ナルトが頑張っているから、あたしも胸が痛かった。

今はここに居てはいけない。

そう察しあたしはナルトから離れた。合格した奴に慰められてもただの嫌みでしかない。


皮肉にも快晴な空を見上げ、奇跡がおきてナルトが合格できますようにと願った。



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