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Evidence
一つの節目

「ごめん。今日木の葉に行ってサスケに会ってはっきりさせるつもりだったんだけど…
会えなかったんだ。」

デイダラの部屋のベッドに座って、自ら今日のことの話を切り出した。
彼はあたしの話を聞きどこかホッとしているような顔をしている。
でもあたしとしては、しっかりけじめをつけて、帰ってくるつもりだったのだ。
そしてデイダラのもとに胸を張って帰ってきたかった。

「そんな残念そうな顔すんなよ、うん。」
デイダラはあたしの顔を覗きこむ。
目尻を下げて、デイダラもどこかシュンとした表情。

こんな表情をしていてはデイダラに勘違いされてしまうと思って慌てて首を振った。
多分彼はサスケに会えなかったことをショックだと思っているのだ。

「違う!ただはっきりしたかっただけ!サスケに、もう帰れないって伝えるつもりだった。」

あたしは彼の袖を掴み必死に訴えた。

「はっきりさせて、デイダラと向き合いたかった……。」
声を振り絞るように言うと、彼は「うん」と頷き微笑んでくれた。
そして袖を掴むあたしの手をとると、あたしの髪をワシャワシャと撫でる。
おかげで髪はボサボサになった。
「お前可愛いなぁ、うん」

こんなボサボサな髪のあたしがなぜ可愛いんだろう。
あたしは黙って髪の毛を整える。

「オイラにたいしてこんな必死な美里初めてだな。ちょっと感動するな…うん」

デイダラは嬉しそうに言う。そんな顔を見ていたら、あたしも嬉しくなった。

だから咄嗟にデイダラにぎゅっと抱きついた。
「うぉっ…」
デイダラが驚きの声をあげる。

だが彼もゆっくりあたしを包みこんでくれた。


「デイダラ…好き」
そう言わずにはいられなかった。
デイダラの体温はあたしの気持ちを昂ぶらせる。


――そして彼と長い口付けを交わした。








「サソリ、ちょっと相談があるんだけど。」
明くる朝、リビングに行くとサソリがもうすでに起きていてテレビを見ていた。

昨日デイダラとキスした後、さっさと彼に部屋を出てけと言われた。
理由は"我慢できないから"らしい。
ホントはもっと一緒にいたかったし、"そう"なってもいい自分もいた。
だけど実際どうすればいいかも分からない。
だからサソリに相談を持ちかけた。

「ダメだ。ガキにはまだ早い。せめてあと2年は待て。」

「2年も無理だよ…」

「ふざけるな。早いうちにやったっていいことねぇんだよ。我慢しろ。」

サソリの目がだんだん殺気に満ちはじめたので、考えるのをやめた。


まぁ、焦らずいこう。
デイダラはきっとあたしを大事にしてくれて、時期がきたら精一杯愛してくれるだろう。






木の葉に行ってから数日後。

部屋でクナイを磨いていると、部屋をコンコンとノックされた。

「どうぞ。」

ドアが開かれるとそこには赤い瞳を持ったイタチがいて、
「ちょっと話しがある。」
と言って部屋に入ってきた。

結局あたしは、サスケのことについてイタチと話し合ってもいないかったから丁度いい。

「簡潔に言うと、お前にはもう頼るのはやめた。今までオレの考えを押しつけてすまなかった。」

目を伏せて話すイタチ。
あたしはクナイを磨くのを止めて聞いた。

「お前は何も考えずに幸せになってくれ。そもそもオレが口出ししたのが悪かった。お前が誰を好いてもお前の自由だ。」


あたしはそれを聞いて、なんとなく肩の荷がおりたような気がした。
それと同時に涙が出そうになる。
「ごめん。正直サスケに会えなかったのは…残念だけどホッとしてる自分もいたんだ。」

あたしは言葉を続けた。
「もう、サスケのことはいい思い出としてしまっておきたい。」

サスケに会えなかった時点で、あたしは諦めていた。彼と話し合うことを。

イタチも黙って頷いた。



これでいい。
あたしは寄り道せずにデイダラと道を歩んで行こう。




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