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Evidence
共通点

シカマルと別れ、家路を歩く。
家とは思わないけど。

後少し頑張ればあの家から、あの父親から逃げだせる。


そんなことを思いながら歩いていると見たことのあるクラスメートを見つけた。


そのクラスメートは、まだあたしに気がつかず草の上に座りながら川を見つめていた。


そのまま通り過ぎても良かったのだが、なぜかあたしはそのクラスメートに声をかけていた。


「何してるの?うちはサスケくん。」

サスケは振り返り、あたしの顔を見るとまた視線をもとに戻す。
「何でもいいだろ。」

そう返ってくると思った。

彼とは一言か二言会話したことがあるかないか。

こんな無口な彼がなぜモテるのかあたしはよく分からないけど無口な方が興味は湧く。


あたしは彼の数歩離れた隣に座った。

なぜ座るんだと言わんばかりに視線を送ってくるサスケ。

あたしは少し笑ってサスケに言った。

「ただ帰りたくないから座ってるだけ。下手に話しかけたりしないよ。」

そう言うとサスケは目を丸くした。
だがすぐに疑問をぶつけるようなことはしてこなかった。

その方が楽だけど。


しばらく無言のまま川を見つめていると
意外にもサスケが先に声を出す。

「オレはお前に聞きたいことがあるんだ。」

落ちこぼれのあたしに聞きたいこととはなんだろうか。

「お前の両親、お前とは血がつながってないんだろ?」

何を言い出すかと思えば
そんな事か。

そんなの木の葉では有名な話だ。
今さらなんなんだ。

「そうだけど・・・。何?」


あたしは鋭い目でサスケを見つめた。

だがサスケは怯むことなくあたしを見つめ、言う。
「幸せなのか?」


ドクリ・・・と心臓が鳴る。
そんなこと尋ねられたのは初めてだった。



「・・・・・。」
何も言い返せない。

さらにサスケは続ける。

「血のつながりっていうのは以外に大切でいくら切ろうとしても切ることなんてできねぇ。・・・オレにとっては呪わしいつながりだけどな。」

フッとサスケは笑って見せた。

サスケは実の兄に家族も、一族も殺されたんだっけ・・・。


「あの家に居て幸せだと感じたことはない。あたしにとって、あの家は家じゃなくて戦場なの。」

ゆっくりと目を閉じる。
家の中の光景が思い出された。

「だからさっさと卒業して忍になってあの家を出るんだ。」

家といって思い出すのは父の、あの目。

あの、まるで虫けらでも見るかのような下げずんだ目。





日も暮れた頃、家に帰った。
サスケも、誰も彼を待たない家に帰った。

サスケもナルトも孤独の恐怖を知っている。

そんな少し似ている境遇を持った正反対の彼らが深く関わりあったら、面白そうだと思う。




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あきゅろす。
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