Evidence
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「ここは風呂だ!うん。」
建物の案内をされるあたし。
行くところがないというのを知ったデイダラは、ここに住んでいいと言ってくれた。
「ただし、ここは安全な場所じゃねぇぜ。それだけは覚えておくんだな・・・うん。」
家なのに安全じゃない?
どういうことだ。
まぁそんなことより、
「お腹すいた。」
そんなあたしの正直な心境を聞いたデイダラは、
「ったく手のかかるやつだな〜。」
と呆れた声を漏らした。
なんだかんだ、いい人なのかもしれない。
キッチンに連れてかれて、あたしは近くの椅子に座らされた。デイダラはテキパキと料理の支度を始める。
どうやらここでも、あたしは作ってもらう側らしい。
ジューと音がし、おいしい匂いが漂う。
ここで一つ疑問が生まれた。
「デイダラさんって女の子?」
それを聞いたデイダラはみるみる表情を強ばらせ、
「オイラは男だ!」
と叫ぶ。
髪の毛はサラサラな金髪だし、料理が上手いし、つい女の子なのかと思ってしまった。
「あ・・・ごめんなさい。」
あたしは一応素直に謝った。
「ホント失礼なやつだな!うん!」
頬を膨らませてデイダラはプリプリと怒る。
まぁでもよく見ると体はしっかりしていて、どう見ても女の子の体系じゃないことは見てとれた。
するとなんだか後ろの方で妙な気配がした。
チラリと後ろを振り向く。
「誰だお前?」
あたしに向かって化け物が言った。
ズル・・・ズル・・・。
その化け物はだんだんあたしに、ゆっくりと近づいてくる。
あまりの怖さに立ち上がってデイダラの元に駆け寄った。
「ん?急になんだよ?
まだ出来てないぞ・・・・
あ〜・・・旦那かぁ。」
デイダラは化け物を見てあたしが急に駆け寄ってきた理由を分かったみたいだ。
「おい。デイダラそいつは誰だ?」
「昨日オイラが拾ったのさ。うん。リーダーにはもう話してあるぜ。」
「フン。テメェも物好きだな。まぁ勝手にしろ。
ところでそこのガキ。名はなんだ?」
あまりにも化け物が怖かったのですぐさま「美里。」
と答えておく。
聞いておいて返事もせず、ズルズルと化け物は去って行った。
「よし、できたぞ!・・・うん。」
そう言ってデイダラはテーブルまで料理を運んだ。
「あれはサソリの旦那。あんな化け物みたいなのはヒルコに入っているからだ。」
「ヒルコ?」
「クグツの名前だ。うん。ずっとあんなのに入って、旦那は陰気なやつだからな。」
くぐつ?ひるこ?
なんだか全く訳が分からない。とりあえずあたしは、住むところを間違えたかもしれないと思った。
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