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Evidence
寂しさ


「おい、聞いてんのか?」

サスケが迷惑そうな口調で言う。

「聞いてない。」
あたしが脈絡ない声で言う。

「居候の分際でいいご身分だなテメェは。」

ほっといてほしい。
今はただ、不安だから。

冷静に考えるとあたしは木の葉から出たことがない。
それなのに知らない土地に1人で行くなんて考えたら恐ろしくなった。

考えが甘かった。

あたしはちゃぶ台に頬杖をつきため息を吐く。
「はぁ〜・・・」

いつからか、シカマルがいつも側にいたから。
ナルトだって居て、寂しさなんて感じなかった。

「うぜぇからさっさと風呂にでも入れ。」
サスケは帰ってくるなりまともに話さないあたしに、心底呆れているようで吐き捨てるように言った。


「一緒に入る?」


あたしの一言で空気が凍る。
いや、ほんの冗談だったんだけど。

ちらりとサスケに目をやると、白い頬が真っ赤に染まっている。

以外にも彼はからかいがいがある。

「あはははは!」


いきなり笑いだすあたしにサスケは驚き目を見開く。


「あはは!冗談に決まってんじゃん!」
あたしはお腹を抱えて笑った。

「いっいいからさっさと風呂入りやがれ!」
真っ赤になったままサスケは怒鳴る。


クールなサスケのこんな一面を見れるのは新鮮だ。

あたしは立ち上がり、タオルを右手に持って左手でふすまを開ける。

風呂に行く前に
「ナルトにも前同じこと言ったら‘おう!わかった!’とか言われちゃったよ。」
と言い残し風呂場に向かった。
絶句しているサスケの姿が見なくても分かった。

まさかサスケと普通に、友達みたいに会話できるようになるなんて。
ちょっと前までは思ってもみなかった。




残りあと4日。


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あきゅろす。
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