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Evidence



ポツリ、ポツリ。
やはり雨が降ってきた。

サスケの方に目をやる。
まだ必死に修行を続けている。
帰る気は無さそうだ。
風邪などひきたくはないから、あたしは1人で帰ることにした。


あたしがサスケの家に着いた直後には土砂降りの雨になってしまった。

大丈夫だろうか。
素早くお風呂を沸かしてサスケの帰りを待った。


数時間経ってやっと、玄関が開いた。
タオルを持ち、走って玄関まで行くとやはりずぶ濡れのサスケが立っていた。

「風邪ひくよ。」
サスケにタオルを手渡す。渡すとき少し触れたサスケの手は冷たい。

「お風呂湧いてるから。」
そう言うとサスケは無言で頷いた。

サスケがここまで頑張るのは、全て復讐の為なのだろうか。

少し忘れていたけど、明日あたしはここを出なければならないんだ。

自分の復讐のために、あたしはこの里を出る。



「サスケ。なんか今さらなんだけど、ありがとう。」

サスケは風呂上がりで湿った髪の毛を拭きながら、
「いきなりなんだよ。お前らしくねぇな。」
と呟いた。

「明日あたし出て行くから。」
あたしは晩御飯用の人参を切りながら言う。

「そうだったな。」
サスケは自分の肩にタオルをかける。

「サスケが居なかったら今ごろ行くあてがなくて、どうなってたか分からない。」
あたしは切る手を止めてサスケを見た。

サスケもあたしを見ていたらしく、視線がぶつかる。

「楽しかったよ。」
あたしは笑って言った。

たった1週間で、サスケとは仲がすごく深まったと思う。
毎日が楽しかった。

「サスケともっと早く仲良くなっていたら良かったな。」

そう言うとサスケは眉を少し歪めたが、特に何も言わなかった。

今日はホントに無口なサスケ。疲れているのだろう。

今日の晩御飯も、やっぱりサスケがほとんど作った。
サスケは、作っている間も食べている間も、一言も喋ることはなかった。



最後の朝。

日がくれた頃にあたしは出発する。どこで何をするか全く決まっていない宛のない旅。

目覚めて最初にあたしは荷物の整理をする。
荷物なんてほとんど無いに等しいからすぐ終わった。

サスケはもうすでに居なかった。
また朝早くから修行に出かけだのだろう。
でも昨日から、どうも避けられているような気がしてならない。

まさか、帰って来ないなんてことはないだろうな。


最後にサスケに言っておかなければ。









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あきゅろす。
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