Evidence
修行
「サスケはやっぱりうまいね。」
見事に的に当たったクナイを見て拍手を送る。
なんといったって彼は成績は常に1番。
ちなみにあたしは中間ぐらいの成績。よくもなく悪くもない。しかし授業をまともに受けていないせいで、イルカ先生には常に目をつけられていた。
ナルトの次に。
シュッ。
あたしもヒト型の的に投げてみる。
しかし3回のうち1回しか上手く当たらなかった。
サスケは1回たりとも外さなかったのに。
「手に力入りすぎだ。もっと軽く持て。」
と言いながら、サスケはクナイを握るあたしの手をとって
「こんなもんだろ。」
あたしの指を丸め力加減を教えてくれた。
「わ・・・分かった。」
サスケの手があたしの手を触っている。しかも距離も近い。
どうしてこんな意識しているんだろう?
「お前スピードは誰より早かった。」
昼飯のおにぎりを食べながらサスケは言う。
「他は全然だめだったけどね。」
あたしは薄く笑う。
「今のままじゃだめだよね。」
静かに言うと、サスケはうつむき何も言わなかった。
サスケも同じ心境だからだろう。
あたしの超えなければならない壁より、サスケの壁の方がきっと高い。
なんせ、うちは一族を皆殺しにした男なのだから。ただ者じゃない。
ザワザワ・・・と木々の葉が動く。
今日はあまり天気がよくない。そろそろ雨でも降ってきそうだ。
「そろそろ帰らない?」
あたしは木によしかかり座りこむ。
「オレはまだ残る。」
「じゃああたしも、もう少し残る。」
お尻をはらって立ち上がる。
サスケも続いて立ち上がった。
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