とびきり素敵な(碧の鈴:真夜様より)
結婚することになったクラトスとロイド。
それを一週間後に控えたある日。
「どうした? ロイド」
「いや……別に?」
なんだかそわそわしていて落ち着かない様子のロイド。
視線は泳いでいて、とてもなんでもないようには見えないが。
気になったクラトスはロイドに、思っていることを正直に打ち明けるように促した。
「来週、なんだよな。
俺達…結婚するの」
「そうだろう? 今更どうしたのだ…」
…ロイドの態度を見て、クラトスは不安になる。
自分との結婚が、嫌になってしまったのか?
だから、考え直したいと言い出すのではないだろうか…
一度悪い方に考え出すと、なかなか歯止めの効かないクラトス。
そんな父の心情を察し、慌てて平静を取り戻すロイド。
「違うよっ、クラトス、考え過ぎだから!」
「…なら、何をそんなに落ち着かないのだ」
ロイドは顔を赤くし、俯き話し始める。
「…なんか、とうとう結婚出来るんだなー
…って考えると、緊張しちゃって」
願ってもなかった、クラトスとの結婚。
募りに募った想いがとうとう成就することはとても嬉しいが、
その反面、こういった"恋人"らしいことをすることにドキドキする。
自分達は恋人同士でありながら男同士で親子。今までそれが邪魔して、なかなか甘い雰囲気に持ち込むことができなかった。
旅を終え、漸く二人きりの時間を持つことができ、
こういった、結婚の話が持ち上がったというわけだ。それ程までに、二人は好き合っていたから。
常に一緒にいるとはいえ、結婚なんて二人には新鮮すぎるイベント。
「…特に結婚式!
みんなの前でなんかするんだろ? 恥ずかしいよなぁ…」
ロイドは頭をぽりぽり掻きながらクラトスに向き直る。
「クラトスは前に一回、母さんと結婚してるからさ。慣れないところ、リードよろしくな!」
男らしく、自分よりもかなり大人びているクラトス。ロイドは彼を頼りにするつもり
だったが、
「私も…式は初めてだが?」
「えっ!?」
予想外の反応に驚かざるをえない。
「なんで? クラトスと母さん、結婚してなかったのか」
「…式を挙げなければ結婚したことにならない、というわけではない」
クラトスと母アンナ。
アンナは培養体として人間牧場に囚われていた身。
クラトスは彼女を助け出し、そのまま恋に落ち、
やがてロイドを授かったが、
アンナは牧場から脱走し、クラトスはそれを手引きした存在であった。
二人共敵に追われている身だったのだ。いつ暗殺されるかわからず、そんな状況で、ゆっくり式など挙げていられる暇もなく…、
そうクラトスは話した。
「…そっか…」
「お前にそんな顔をさせたくはなかったのだがな…
つまり、私も結婚式は初めてだ。
緊張もしている。…もしかしたら、お前以上に」
「クラトスが…緊張? するのか?」
見た感じ、普通の顔をしているのだが…
だがクラトスは感情を隠すことが得意だから。
「…クラトスも、俺と同じこと考えてたってことなのか」
「ああ、そうなるな」
一生に一度の、晴れ舞台。
それを二人は間もなく迎えようとしている一一一。
楽しみなような、胸が高鳴る緊張を持ちながら。
「敵に追われる心配もなく、永遠の未来を約束されたこの結婚式を最高に幸せなものにしたい…ロイド」
ゆっくり、二人だけの時間を過ごしていきたいと。
あの頃とは違い、平和な日常の中で。
あの頃には出来なかった、挙式を。
ロイドはクラトスの首に腕を回し、飛びつくように胸に顔を埋めた。
「クラトス。
幸せになろうな、俺達…。
今もすげー幸せだけど…もっともっとさ…」
「ああ」
クラトスも、ロイドの背中に腕を回した。
二人の左手の薬指には、陽光を受けて輝く婚約指輪。
これが本当の…結婚指輪になるまで、
あと一週間。
* * *
そういえば今月は ジューンブライドでしたね!(今更気付いた)
蘇芳 蓬月さまのみお持ち帰り可ですー
あ もちろん いつでも返品可です!
* * *
ふをををををっvvvvvv
素敵な親子ありがとうございますっ!
そんな返品なんてっ!
一生オイラのものですvvvvv
本当にありがとうございますーvvvv
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