砂糖いらず
出そうになった溜め息を紅茶と共に飲み込む。
俺様は自他共に認める甘党だが、今はこの紅茶に砂糖は入っていない。
何故なら…
「クラトス、あーん♪」
「ん…」
バカップル親子がいちゃつき大会を目の前で繰り広げいるからだ。
今日は運が悪い。
戦闘で毒はくらうし、料理にも失敗するし、さらに宿は部屋がいっぱいで、みんな分かれて別々の宿に泊まる事になっちまった。
そして俺様は何故かこのバカップル親子と一緒…
何のイジメだよ…
これならガキんちょやオッサンと一緒の方がマシってもんだ。
しかもどこからか買ってきたケーキを食べさせ合う始末。
頼むから余所でやってくれっ!
目の前の空間が甘過ぎて、ケーキを食べる気も起きねーっつーの。
「あれ?ゼロス食わねーの?」
誰のせいだよ。
「虫歯でも痛むのか?」
今虫歯になったら確実にあんたらが原因だ。
仕方ないからケーキを一口食べる。
…甘くない。甘さ控えめのケーキか?
「甘くてうまいだろ?」
……甘過ぎる空間に俺様味覚マヒしちまったっ?!
もうこいつらの空気って公害レベルなんじゃねぇのっ?!
「ロイド、ついているぞ」
あ、何か嫌な予感…
「んー…クラトス、取って」
「ん…」
舐め取んなぁぁぁっ!
無理っもう無理っ!
「ゼロス、どこ行くんだ?」
おもむろに立ち上がった俺様にロイド君が声をかけてくる。
ケーキうまくなかった?とかしょんぼりしないでクダサイ天使様の視線が痛いからっ。
「…ちげーよ…コーヒー貰ってくるだけ…」
「あっ、オレも欲しい!クラトスも飲むよなっ」
「あぁ、いただこう」
俺様はパシリかっ、とも思ったがこの空間から逃れられるのなら何でもいい。それがほんの一時であっても。
更なる甘さ対策の為に濃いコーヒーをいれて貰おう…
戻った時、更に甘さが増幅されていない事を祈りながら…
END
ゼロスの祈りも虚しく戻ったらさらに甘々になっていて、ゼロス自身が砂糖になったとかそんなオチかもしれません(をい)
遅くなってしまいましたが、サイト2周年おめでとうございます!
これからも、あねさんの作品楽しみにしています。
お祝い小説がこんなので本当に申し訳なく…orz
返品はいつでも受け付けますのでっ。
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