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逆転の日

クラトス・アウリオン、4000+28歳。
彼は今、息子に押し倒されていた…






「…何のつもりだ、ロイド」

部屋を訪ねて来たかと思えば、キラキラとしたいい笑顔でロイドはクラトスをベッドに押し倒した。
驚いた表情をすればイタズラが成功したようにあどけなく笑う。

「いい加減に降りなさい」

重いから、などともっともらしい事を言ってロイドをどかそうとする。
しかし返ってきたのは「イヤだ」と言う否定の言葉だった。
クラトスの眉間に皺が寄る。

「今日ってさ、何の日か知ってるか?」

「…今日?」

(何かあったか?誰かの誕生日では無かったハズだ…何かの記念日だろうか?しかしそれも見当がつかん…)

クラトスは暫く考えてみたが、結局答えは出なかった。
しょーがねーなぁ、とロイドが勝ち誇ったように言う。

「今日は6月9日、ロイクラの日なんだぜ!」

「…………………は?」

その情報をクラトスの脳が受け入れるのに、たっぷり10秒はかかった。

「今日は覚悟しろよなっ」

そう言うや否や、ロイドはクラトスの服を脱がしにかかる。
流石のクラトスもコレには慌てるしかない。

「ちょっ、待ちなさい!ロイド!」

奇襲を行い尚もどんどんと攻め続けてくる息子に、クラトスはようやく防御に入った。

「何でだよ、ロイクラの日位いいだろ」

「いいわけ無いだろう…」

「クラトスおうぎょうじまワリィ」

「……往生際だ」

あ、そうそれそれ!と言いながらクラトスを更に脱がせようとする。

「だから待ちなさい」

「だから何でだよっ」

なかなか覚悟を決めない父に苛立った口調になってしまった。ちょっとマズったかなあ…と、ロイドはクラトスの顔を伺う。
クラトスは少し溜め息をついてロイドを見つめた。

「わかった、そこまで言うのならやってみなさい」

「!ほ、本当?!」

「フッ…出来るものならな」

やってやる!とロイドはクラトスの服をどんどんと脱がしていく。いくの、だが…
ある部分で手が止まった。
コレさえ下ろせばいいのに…それだけなのに…

「どうした?」

さっきとは打って変わった余裕な声でクラトスはロイドに続きを促す。
クラトスはわかっていたのだ、最終的にロイドがこの部分でつまずく事を。

「もちろん、この後もお前がきっちりしてくれるのだろう?」

「この、後?このあ…あ、あ、あとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ?!」

この後と言えば、アレだ。服を脱がせた後なんてソレしかない。更に今日はロイクラの日だと言った。だからいつもとは逆の体勢になる。

(てことは、オレがクラトスの舐めたり触ったりい、いいいいい、れっ…?!)

今更ながら事の重大さにロイドは気付いてしまった。
予定ではいつも上に乗られているから、こんな日くらいはオレが上に乗ってやるんだ!めでたしめでたし!で終わるハズがとんでもない方向に行ってしまっている。

「ロイクラの日なのだろう?」

一人百面相をしているロイドに向かって至極楽しそうにクラトスが声をかける。

「この後どころか、まだ上を脱がされただけなのだがな」

くっくっ、とクラトスは心底この状況を楽しんでいるようだ。
仕掛けた当の本人は顔を真っ赤にさせている。

彼がクラトスの胸元に顔をうずめて「ごめんなさい」と言うまで後数分…






END



クラロイベースのロイクラ、です(ロイクラかは怪しい)



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