YGO短編
俺たちのハロウィン※ 1
※下ネタ注意
「なぁークロウ、菓子くれ。」
友人たちから唐突に呼び出されて来てみれば、差し出された手は明らかに催促していた。
別に今日、10月31日が何の日か知らない訳ではない。
ただあれは元々、子どもたちが家々を回って“お菓子くれなきゃ、イタズラするぞ”といってお菓子を貰うイベントな訳であって、大の大人が空腹を紛らわすためのものではない。
「なんで俺がガキでもねぇお前らにやんなきゃいけねーんだよ。」
俺のブラックバードに積んであるお菓子はうちのガキ共とリリーにやるためにあるんだよ、と伝えれば一個位いいじゃねーか、とすねはじめる。
「ったく…。用がそれだけなら俺は帰るぜ。」
アイツらが楽しみにしてまってんだ。リリーがみんなあるもので工夫して仮装するのだと教えてくれた。
「おやぁ?いいのかなぁ?」
明らかにさっきとは違う様子で問う己の友人に嫌な予感を抱きながらも、じゃあなと言って振り切った。
クロウの友人達は彼の後ろ姿が消えたのを確認したあと、先程と同じ笑みを浮かべた。
「対価はでかいぞぉ、クロウ。」
「お前ら、“アレ”に期待しようぜ!!」
おおっ、と声を合わせる彼らのなかには1つの感情が渦巻いていた。
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