[携帯モード] [URL送信]

YGO短編
彼との関係…





「………な、な…」




なんで?

私は“家族”なんでしょ

なんで私をだきしめてるの

なんでクロウも真っ赤なの


なんで…クロウのほうが驚いてるの…





目の前の彼はハッとしたかと思うとより一層顔を赤くした。


「なんで…私、クロウにとって家族なんじゃ……。」


「わりぃ!リリーにこんなことするなんて…!」


パッと両手をはなし、どうしちまったんだ俺は!とあたふたするクロウ。
なんでクロウの方が慌ててるんだろう、と不思議に思いつい笑みがこぼれてしまう。


「ほんとひどいなぁ…もう。」


「す、すまねぇ…!」


「いつも期待させるだけなんて、ずるい。」


「……?」


また期待してしまった。期待したって無駄なのに…。
胸が痛む。
でも、今だから思い切って言える気がした。


「クロウ…私、クロウのこと好きだよ。大好き。笑った顔とかいつも見入っちゃうし、デュエルしてる時のキラキラしたクロウも勿論好き。」


「な…」


「クロウが私のこと“家族”だと思ってること、わかってる。でもやっぱり言いたかった。困らせてごめん。」



今度こそ、帰ろう。
泣きそうなとこなんて見られたくない。
彼に気づかれたくなくて、少し距離をとる。



「……好きだ。」


「…わかってるよ。家族としてでしょ。」



立ち直れるかぁ。
マーサに心配かけたくないなぁ…。



「違ぇ!」


「え…」


クロウのまっすぐな眼差しが私を見ていた。
どうしていいのかわからず、半歩後ろに出した足が動かない。



「アイツらの前ではカッコつけちまったけどよ…。リリー、俺はお前が好きだ…!!」




「うそ……」


「嘘でこんなこと言えねぇよ。本気だ。」


彼は顔を真っ赤にしつつも、真剣な面持ちで言葉を放つ。


「えっ、どうしようどうしよう…!嬉しいけど、どうしたらいいの!?」


今度は私があたふたしてしまっていた。それを見たクロウはヘへッと笑う。


「こうすればいいと思うぜ。」


そう言って彼は私を包むように抱きしめる。
私もそれに倣うように、ぎこちないながらも彼の背中に腕を回す。



ねぇクロウ、
私幸せすぎてどうにかなりそうよ。





[*前へ][次へ#]

4/22ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!