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YGO短編
彼との関係 A


私とクロウは小さい頃からいつも一緒、いわゆる幼なじみという関係だ。
それは素敵な関係に見えるかもしれない。小さい頃は楽しく、思春期に入れば互いを意識し始める。そんなときめきに溢れた関係であったならば、私の悩みなど無かったはずだ。



『アイツは大事な家族なんだよ。』


偶々耳にしてしまった言葉だった。友達と話をしていたクロウ達に私はお茶を持っていこうとした。そして彼の友達が私との関係を聞いた時、彼は先程の言葉をさらりと言い切ったのだ。




「はぁ…どうしたらいいんだろ…。」


「俺に聞くな。」


そういって彼、ジャック・アトラスはお気に入りのブルーアイズ・マウンテンを優雅に口に運ぶ。


「ブレイクハート中の人間にも容赦ないね…。」


クロウとは長い間同じ時間を過ごした。二人の関係に少しの期待だってあった。
しかし、それは数時間前の一言で一変した。あまりにもショックで気づいたらジャック御用達の喫茶店に来ていたと言うわけである。

ジャックに関して人選ミスなのはわかっているが、いっそ彼ぐらい正直でいてくれる方が、こちらも申し訳ないなと思わずに愚痴が吐ける。
私がジャックに一方的に話しかけるだけだが、案外スッキリ出来るものなのだ。


「そんなに気になるならデュエルで語ればよかろう。」


満足したのか、彼は席をたつ。
彼の分まで払わせられては堪らないので、私は急いで席をたった。


「それはそれでデュエルに集中出来ないよ…。」


確かにデュエルであればクロウに真正面から気持ちを伝えられるかもしれない。
でもクロウの反応を考えるだけで私は逃げ出したくなるし、その後のデュエルなんて彼を失望させるだけではないだろうか。
そう考えている間に、ジャックはさっさと移動する準備に取りかかっていた。


「先にいくぞ、俺はこれから用事があるんでな。……お前の悩みごとなら、一対一で話せば状況が変わることもあり得ん話ではなかろう。」


そう言って彼はDホイールのエンジンをかけて、あっと言う間に姿を消した。


「それってどういう…。」


一対一だと何が違うと言うのだろう。
彼なりの助言だということはわかるのだが、真意がわからない。
自分も移動を、と準備していると後ろから何かが止まる音がした。

「こんなとこにいたのかよ、リリー。」


そう言って、彼はヘルメットをとり、明るい色の髪を風に遊ばせた。




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あきゅろす。
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