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SK短編
雨がもたらすもの(4)
あれからどのくらい時間がたっただろうか。


別段、何かあったわけでもない。

ただ本当になんとなく、ちらりとハオへと向けた視線がこちらに向けられた視線とかち合っただけ。



それだけなのに

 幸せを感じずにはいられなかった。



お互いにじゃれる時のような笑みを浮かべて顔を近づける。
ゴツン、と鈍い音がした。


「…っ、石頭…。」


「…それは薫の方だろ?」



さっきの空気はどこへやら。

内心おかしく思いながらも、バッグの感触がしてそういえば、と思い出す。



「カレー作ろうと思って持ってきたんだった。」


バッグの中から、玉ねぎやニンジン、お肉、じゃがいもなどを取り出す。
次々と出てくる食材を目で追っていた彼に対して私は一言、



「食べる?」



と言った。
きっと私の顔はにやけてるに違いない。

が、彼も人のことは言えないと思う。



「食べる。」




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あきゅろす。
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