SK短編
distance 〜4〜
視界には赤橙。
何が起こったのか、それはこの温もりが教えてくれていた。
ふわり、と私を包むそれと彼の体温は、私を安心させるには十分すぎる。
「…ありがとう。」
正直な気持ち。
長い間会っていなかった分の寂しさとか、不安とか、期待とか。
それら全てが、すぅっと消えていった。
そして思った。
―大丈夫、私は頑張れる――
彼は何を言うわけでもなく、抱きしめる力を強めた。
この気持ちを噛み締めるように、彼に手を回す。
彼と私の距離は変わらない
近づいている気さえする
「(手、放したくないなぁ…。)」
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