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●留×戦
●留弗夫さんが一人で頑張って励んでいます。
●注意















日を追うごとに夕暮の影はどんどんと伸びていく。


五月の初め桜もすっかりと散り道には緑が目立ち始めていた。

「じゃあいってくるぜ、頼むから火を使うときだけは注意してくれよ。帰ってきてアパート全焼で親父のオーブン焼きなんて、俺は、食いたくないからな」
「最高のデザートだな、そりゃ」

夕暮の玄関口で軽口を叩きあう。
戦人が友人の家に泊まりにいくとうの話で二日ぐらい帰って来ないらしい。

『本当の理由はわからんがな』

友人の家に泊まりに行く。まるで童貞、処女を捨てに行く子供の言い訳じゃないか、と自分の事を当てはめて留弗夫は思う。
しかし当の本人はそんな留弗夫の心情を知ってか知らずか、普段と変わらない様子でポケットに入れていた時計を見て時間の確認をしている。

「じゃあいってくるぜ」

と軽く手をあげて去っていった。

『と、はいえそう出掛ける予定はないか』
本でも読んで残りの一日過ごそうかなどと考える。
ここで掃除、洗濯などをしておこうなどという考えが出てこないのが右代宮、四人兄弟クオリティー。

早速本を開き机に肘をのせて畳みの上で座り込んだ。
最近は時間が出来てしまった。
今まで暇という感覚を味わった事がなかった留弗夫はこういった時間の過ごし方が実に下手だった。

用は、
本など読み始めても一時間もすればもう飽きてしまっていた。
目も肩も疲れたので机の上にどっさりと上半身を倒して薄暗くなっていたので机のライトをつけた。

薄暗い室内。
人が一人いないというだけで狭い部屋が何処か大きく感じる。
出ていってすぐだというのに留弗夫は早くも孤独を感じていた。
戦人のやつ、本当はどんな理由で出掛けたのだか。

考えながら大きな欠伸をする。
理由が不純だったら、で思い出したが、
『あいつ性欲処理とかどうしているんだ??』
純粋な疑問として留弗夫は首を横に捻った。
自分があれぐらいの時はかなり盛んだった筈だ。
当然自分の部屋があったからよかったし、それなりに女に言い寄られはじめた頃は右代宮の屋敷に連れ込む事など出来ないから学校やら海辺近くのホテルやら場所があったら若者らしく励んだものだ。

父親が横にいるこの状況で抜け、と言われても困るだろうが。
というか、どんな羞恥プレイだ、そりゃ。

『まぁ、その為の今日か?』

色々と考えながらそういえば最近、抜いてないなどと考えが至った。
がさごそとズボンのベルトをゆっくりと緩めて手を入れる。
あいつが誰かを連れてくるとなったらどんな女を連れて来るだろうな。
くっくっく、と、なんだかその様を想像したら可笑しくなり声を押し殺しつつ笑う。

そして手は部位に触れて摩りはじめる。

ヂー・・・・
という蛍光灯の灯りの音が耳に入る。アパートの外から別れを告げる子供の声や豆腐売りのラッパの音などが近くに聞こえてやけに気恥ずかしい、逆にそれが興奮を誘っている。

あいつは女の扱い方は上手そうだな。俺に似たのか?
好みはどうなんだろうな、あいつが女と仲良くしてたのを見たのは従姉妹の朱志香ちゃんと真里亞ちゃんぐらいだぞ、俺は。

そこまで考えた後でそれはそうか、そこまでしか戦人を見ていないのだから。
と考え直す。昔は一緒に住んでいても家はでかいし戦人が学校でどのような生活をしていたか、また部屋にどんな友達を連れて来ていたかなど知りもしなかった。

気持ちのいい所に手を伸ばし体をあげる。

「ば・・・・とら・・・っ」

自慰中に思わず出た名前がそれだったのでしまったと考えを紛らわそうとした。
『そういえば俺、前にあいつにキスした事あったよな。だってよぉ、あいつ睫長いし、顔付きがいいんだよな。あと体格よく育っちまったけど。まだまだ俺には及ばねーし・・・・・・・』

紛らわそうとしているのに考えながら手の動きも思考も止まらない。
近くにアダルト雑誌でも置いておけばよかった、と考えはじめる。無駄になりそうだとも同時に考えるが。

「・・・・は・・ぁ・・・っ」

留弗夫は我知らず頬が吊りあげていく。そのうちもし戦人だったら?を考える。
無理矢理、あの減らず口に自分のモノを咥えさせたらどうだろう。
嫌悪にあの顔を歪めて口を貝のように閉ざして抵抗するだろうか。
あの少し前の花見後、家で見せたあの表情。
あの態度。改めさせてやる。
 赤い髪を掴んで頭を押し付けてやる。
そのうち息が出来なくなって声をあげようと口を開いた所に突っ込んでやる。
歯なんて立てさせないように一気に奥まで。
嗚咽が聞こえても聞こえない振りをして上手く出来ないようだったら自分で腰と手を使って誘導して舐めさせてやる。

そこまで考えてふと気づく。

『そんな事しなくても、下手糞、って言えばムキになって自分からやりそうだな。あいつ』
考えを直して言葉であおってやる妄想をする。

自分の手で脈だっている所をなぞりながらも手馴れた手つきで摩っていく。
勃ちあがり始めて先端から溢れ出る白濁を感じた所で手の動きを早めていく。

口の中でどんどんでかくなるナニを必死に舐めるだろうな。
その中でで達したらげほげほ言いながら吐き出すだろうな、咳き込みながら涙ぐんでる所を両手で突き飛ばして組み敷いてやる。汚れた顔でまだ咳き込んでる所に口をつけてやる。
『あああ。やっぱりやめだ、自分の味が残ってるだろうからごめんだ』
まぁいい、指を中に突っ込んで広げて、解かして念入りに中でばらばらに動かしてやる。
『鼻につく自分の声とか聞いた時の反応が見てみたい』

膨張した自身のものを宛がう。腰をしっかりと抱き寄せて入り口付近に挟ませて擦りつけながら一気に貫く。
嗚咽が喘ぎに変わるまでは一言も発さない。その後で抱きしめてやって耳元で、あー・・・・あーーーー・・・・・・・・・

『だから、これは戦人、だって』

ああ・・・駄目だ、思考が霧散している、
わかっているのにやめられない。
手がとまらない。
『おいおい・・・・やべぇぞ』
戦人のあの穏やかな笑み、なのに酷くねっとりとしたあの視線がたまらない。
俺だけをみていればいいと言ったあの言葉を繰り返し頭で繰り返す。
あのちっとも思い通りにならない、ここでの生活が始まって以来、すっかり主導権を握った生意気な息子が自分の与える一つ一つの動き素直に感じてビクビクと体をひくつかせる想像が頭を過ぎっている。
堪らなく興奮している自分がいた。

最近自分が可笑しいと留弗夫は深く考える。
戦人を喜ばす為に無能に徹する。
徹さなくても此処では無能なのだが。
戦人の事を考える時間が増えた気がする。


あー・・・それってそうなのか?
そういう事でであってんのかねぇ??


この感情はそっちって事なのか?????

留弗夫は定まらない思考と快楽の中で背徳感も混ぜつつ一際大きく手の動きを強めた。
五月特有の湿った空気の中で頭の中は戦人を思い浮かばせながら。

「・・・・・っ」

頂点に達した、後で襲い来る正気と、倦怠感。

自慰は終わった後にこれが来るから嫌だ、と留弗夫は深い息をつく。
自慰は酷く虚しいからだ。
短い呼吸を繰り返しながら机に顔をつけたままティッシュ箱に手を伸ばした。






しかし、どの女を抱いている時よりも酷く気持ちは昂ぶりそこには快感があった。


うっすらとかいた汗を感じる。
手に付着した白濁を見て「あーーーー・・・・・」と留弗夫は声をあげて再び机の上に頭を乗せる。ティッシュを握りしめたまま動かなくなった。














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