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●ベアト×戦人
●18禁ぐらいです
●EP2にそってます
●鬼畜です注意




















酒を飲むにあたって年齢を真面目に守っているやつなんてほんの一握りもいないんじゃねーか?と時々思う事がある。
今まで飲まなかったのはただ単に興味がなかったからというか機会がなかっただけというか。


「飲めよ、戦人」

仲間同士で集まった席で誰かがそう言った。断ろうかとも思ったが回りの目とプライドが邪魔して受け取ってしまった。
味は・・・よく分からない。
喉奥まで突き抜ける感触と重い液体は胃袋の中に到達したという事までがリアルに分かり熱くて堪らなかった。
クラリと、眼の前が歪んだしこれを平然と呑む大人が信じられなかった。
息を吸う、なんてことはない動作がやけに苦しくて仕方がなかった。
「どうだ?」
しかし仲間達がにやにやとこちらの反応を伺っているので戦人は唇を吊り上げて余裕のある笑みを見せた。



「いっひっひっひ、なんてことねーよ、こんなもん」








戦人はグラスにワインを零しながら思い出していた。
「なんてことあるよな、結局あの後飲まされまくって帰り道で吐いたし、家まで根性で帰ったけど朝は頭が痛くて起きれなかったし、散々だったよな・・・」
ワイングラスを回しながらその液体の色をぼんやりと眺める。
『ワインはね、本当に酔いたい時に飲むのよ』
女の子がワインに切り替えたら攻め時じゃないかしら?

などとクスクス笑いながら教えてくれた頼れる姉のようにかっこよく美しかった女性を思い出す。
「霧江さん・・・」
口に出して呟けばその残酷な最後を思い出してしまった。
教会の机の上に皆が静かに座っていたあの光景。鮮烈に焼き付いたのは二人の両親。
眼の前の赤い液体がそれを彷彿させる色をしていたので思わず口を押さえて立ち上がり椅子を蹴り飛ばしてその場に蹲る。
「か・・・はっ・・!!・・う・・・ぇ・・・う・・」
生理的に涙が滲む。
これから先、生き残れても彼女を思い出すたびに自分はあんな最後の彼女を思い出さないといけないのだろうか、そう思うと酷くやるせなかったし何より悲しかった。いい思い出だってあったし沢山の事を教えてもらったのに。
申し訳なさを感じた。
「俺も生き残れるかも・・・わかんねーけどよ」
地面に倒れこみ荒い息を吐く。
譲治兄貴や真里亞は無事だろうか、考えながら天井を見る。


「一人で酌とは随分と寂しいものよの〜」

扉が開く音と同時に妖艶な声が響いた。
目線を上げると見た事がない女が立っている。
その後ろに執事・・・・の格好をした異形の化け物。人の頭の代わりに獣の頭が乗せたそれは女に付き添うように佇んでいる。

『俺はここについてから何度もこいつを見ている』
服装こそは違うものの間違いなくその顔は大きく飾られていたあの肖像画の女。
妖艶に佇み微笑んでいるその姿は一度見れば頭から離れない。
魔女や異形な者に対しての驚きはない。
こいつの存在は霧江や楼座がすでに会っておりその存在は確定されていたのだから。

「・・・ベアトリーチェ?」

それでも確認の為に苦笑いで指で指して問えば美しい顔はぐにゃりと崩れ人を何所までも見下したような凶悪な顔へと変わる。
「お前が、我が名を呼ぶか・・・・戦人」
嬉しそうに口の端を吊り上げる。
まるでこちらを知っているかのような口ぶりだったが戦人は実際に対面したのはこれが始めてだ。眉を顰めながら魔女の出方を伺っていると魔女は足を出し今だ地面に膝をついている戦人の顎下に潜りこませ持ち上げる。
「・・・っ!!」
顔を強制的に上げられて呻きながら魔女の顔を見る。
「人を疑うのも嫌、魔女を信じるのも嫌、そんな事で妾に勝てると本当に思っているのか、なぁ、なぁ・・・右代宮戦人ぁ・・・・・??」
その酷く濁った色をした目に自分が写り背筋に冷たい感触が走る。

「なにいってんだか・・わかんねーんだよ!!」

手でその足を払い除け膝をつき急いで立ち上がる。
その際にぐらりと足元が揺れた。
一歩足を引き何とか魔女と距離を取ろうと考える。
しかし魔女が躊躇いもなく戦人に近づき背に手を回す。
顔が大きく近づき口を覆い被せてきた。

「んっ・・・・・っ・・ぐ・・??!!」

魔女のいきなりの行為に驚き動きが止まる。
魔女の舌が口内に潜り込む。
歯をなぞられ奥に引込んでいた舌を絡め取られる。
「・・っっっ」
猫が体を摺り寄せてくるかのようにするすると密着をしつつ丁寧に口内の隅々を舌が蠢く。
 口の端から飲み込めれなかった唾液が零れ魔女の舌が奥へ奥へと進む。
アルコールが程よく回った体に心地よい刺激となり柔らかい感触と鼻につく薔薇の香りに頭が麻痺していく。

「ほう、随分といい酒を飲んでいたようだな」
少し口を外してベアトリーチェは笑った。
その言葉に戦人は我に返り、ポケットに手を伸ばした。

「・・・・?」

鈍い感覚。床にぽたりと赤が落ちる。
魔女が疑問に思いそっと戦人から身を離した。
じわりとその肩にまで赤色が滲む。
戦人は震える手で果物ナイフを見せた。
「・・・こんな鍵もつけれない場所で一人でいるんだ。
何も持ってないわけねーだろ・・・」
肉を刺す感触。
あまりにも人間と酷似した相手に刃物を向けるその手は情けない事に震えている。しかし戦人は魔女から視線を逸らさない。
頼りない武器でも何もないよりは幾分マシ。
魔女は酷く冷めた目でその傷口を見て戦人を見て微笑む。

「お前がそれを望むなら妾も答えないとなぁ・・・?」

くすくすと目を細めて笑う。
ベアトリーチェが戦人の方へと目線を向けたなら後ろに控えていた化け物の手は伸びて戦人を地面に押し付ける。

「ぐ・・っ??!!」

戦人が呻く、獣独特のあの生臭さと荒い息遣いが鼻と耳につく。
頭を潰されるかと思う程に圧倒的な力で頭蓋骨を床に押し付けられた後に腕と肩を掴まれ拘束される。

「さて戦人、挑発してきたのはお主だからな・・・楽しませてくれよ?」
魔女はそう言い手を伸ばし戦人のスーツのボタンを手際よく外し始める。
化け物に上半身を押さえつけられ魔女に馬乗りされている。
ガチャガチャとズボンのベルトを弛まされてそこに手が突っ込まれる。
「ちょ・・ちょっと待てぇええ!!お・・お前、な、なにするつもりだ・・・」
目が泳ぐ。動揺する。
その様子に魔女はにやりと口元を歪ます。
「あまり抵抗するとそこにいる使用人が代わりに相手をする事になるぞ」
その言葉に頷くかのように異形の執事は鳴き声を一つ上げた。
さらりと恐ろしい事を言われて戦人は顔面蒼白になる。
魔女は戦人が動かなくなったのを確認した後で手の動きを再開させる、スーツとベストを脱がされその下のシャツを脱がされ肌が空気に触れる。そこにベアトリーチェの手が滑りその肌に触れていく。
ベアトリーチェ自身も自分の服を乱していき肌を合わせていく。
肌の、乳房の感触、ざらざらとした舌の感触が這っていく。
「っ・・・〜・・っ」
柔らかい感覚にぞくぞくと背筋が震える。
心地の良い快感も束の間、使用人の爪が抑えている肩に強く食い込み戦人は痛みで悲鳴を上げた。
「おやおや・・・先程、妾にした仕打ちをそいつは許してなかったみたいだなぁ」
魔女が笑いながら使用人の頭を撫でていた。
その間にも爪は肩を抉るかのように深く突き刺さっていき血が溢れ出す。
「つっ・・ひっ・・いっ・・・あっ」
アルコールのせいで幾分感覚が鈍っているとはいえ眼の前で自分の体が傷つけられていく光景に怯える事しか出来ない。血が滲み赤のシャツがどす黒くなっていく。
頭が眩む。
理性を保とうと戦人は唇を強く噛む。
そこから血が滲んでいるのに気がついたベアトリーチェは喉奥で笑いながら舌でその血を舐め取る。貝のように噤むその付近を舐めていればやがて戦人自ら口を開けて絡ませた。
口が開いた所で手で前立腺を刺激させるとびくりと大きく体が跳ねる。
それを異形の使用人が強く抑えている為に身をくねらせる事も出来ない。

「あっ・・・ぐ・・は・・ぁ・・っ・・・っ・」




痛みと快楽で頭がどうにかなりそうだと思った。

「屈辱か?」

魔女が楽しそうに問い掛けてくる。

「惨めか?」

戦人は虚ろに魔女を見る。
もう許してほしいと思った。
ナイフで刺した事なら謝るからこいつを今すぐやめてくれと叫びたかった。
酒を口にした時だって本当は分かっていた。
あそこは虚勢を張るところではない。自分には無理だと言って進めた相手に返せばよかったのだ。
分かっている。
魔女がいないと否定したいならば人間を疑わないといけない事ぐらい。
本気で仇が討ちたいなら、本気で魔女を討ちたいなら。魔女を信じるか人間を疑うか、どちらかを選ばないといけない事ぐらい!


「親や親戚を殺した相手にいいようにされて・・・悔しいか?」

魔女があまりにも優しそうにまるで慈愛に満ちた聖母のように微笑んでいる為、ひょっとしたら首を縦に振れば許して貰えるのではないかと、つい、戦人は潤んだ目で首を縦にふってしまった。











魔女は大声で笑った。
凶悪に口元を吊り上げて実に可笑しそうに笑った。




ざまーみろ、と叫んでいるようにも見えた。

『・・・ああ、くそ・・・俺が全部悪いのかよ・・・』
戦人は荒い息で霞んで見えるその姿に毒づきたかった。
やがて魔女はスカートを捲り自らの腰をゆったりとあてて降ろしていく。
卑猥な音を立てながら埋め込まれていく自身に戦人は小さく呻く。
魔女が恍惚の表情で悩ましげな息をつき戦人を愛おしげに見た。
その瞬間、身体中に走る刺激に支配された気がした。
静かに戦人は快楽に意識を手放し動きはじめる。
金の髪が揺れてベアトリーチェがまるで恋人の名前を呼ぶかのように「戦人」と自分の名前を呼ぶ声だけが頭の中にいつまでも残り続けていた。















「では、次はもっと楽しませてくれよ?」
魔女は最後に微笑みながらその首に細い指を絡ませた全体重をのせた。
最後の抵抗と言わんばかりに戦人はその言葉に答え口を吊り上げて笑った。















ごりっぐぎっ
(鈍い音が耳に響いた。
ああ、くそ次は見てろよ)





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