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●ベアトリーチェ×戦人
●戦人→真里亞
●15禁










洋館の扉が乱暴に開かれそこに息を荒くした戦人が立っていた。開いた扉からも容赦なく雨が入り込む為、扉を閉める。
戦人は濡れた前髪を掻き上げ机に肘をつけて息を吐いた。
「酷い雨だったようだの」

その言葉に戦人は細めた目だけをギロリと向ける。
露出した肌を見せるかの様に女は足を組む。
筒に溜った灰を銀の灰皿に落とす。

「顔色も優れない、長い間…雨に打たれていたようではないか」

「煩い…」

戦人は短く呻き顔を手で隠すように掴む。
「…くそ」
魔女はにやにやと笑いながらその様を横で眺めている。
雨はより激しい物にと変り窓硝子を激しく叩く。

暫く室内には沈黙が続く。雨音や戦人の濡れた髪から落ちる水滴が机を濡らす音のみが耳につく。

「随分と冷えておるが」
その言葉がやけに近かったので顔を上げればやけに近くに魔女の姿があった。

「暖めてやろうか?」
妖艶に笑い魔女が手で戦人の胸板に触れ足を絡ます。
濡れた前髪をあげ濁った目の下に口をつける。
冷えた口内に熱い舌の感触を感じ戦人は目を見開くがもうどうでもいい事かと受け入れお互い舌を絡ませ合った。
柔らかい唇の感触が頭の奥に甘い痺れを送りそれが虚無感と混ざり合う。
魔女の細い肩を抱きその体を押し倒すように貪る。
やがて口を離し荒い息を吐きながら戦人は短く「これで満足かよ、ベアトリーチェ様」と自嘲めいた笑いで彼女の名前を呼んだ。
魔女はその笑いが感に障ったのか目を細める。

「…今回はもう推理はせぬのか」
「いひひ…そんな気力、残ってるように見えるかよ」
戦人は笑いながら目を伏せた。

「これは、また…面白くない」

そういい魔女は膝をつく。
「?」
疑問を感じ魔女の行動を目で追っていた戦人はぎよっとする。

「妾が特別に・・・慰めてやろう」
にやりと魔女が笑う。
その指が一歩二歩とズボンを進み始めた。
「おい…っ!……」
慌てて制止を呼び掛けようとしたが先にジジ…っと金属が擦り合う音がする。それを取り出し冷えた指先でなぞられ、揉まれる。
「っ!!!!!やめ…っっ」
戦人が手を出す前に魔女は口を開ける。
「〜…っっ!!」
生暖かい感触と共に全身を走る甘い痺れに戦人は思わず背を丸めた。
細い指が根本を揉み扱きはじめる。
脈を打ち出す所を吸い上げられ、尖らせた舌は這いながら割れ目に潜りこまされる。
「あっ・・・はぁ・・・ぁ・・は」
卑猥な水音が耳につく
唇を噛み戦人は声を押さえこもうと必死になる。
その最にベアトリーチェと目が合いその目が自分の反応を楽しんでいると知る。
くちゃ…と、わざと耳につくように音を立てる魔女に戦人は心底殺意を抱いた。
「ぁ、あ…んぁ…」
噛んだ唇から僅か声が漏れる。
どのくらいその愛撫は続いたのだろうか戦人の目にうっすらと生理的な涙が流れ小刻みな痙攣を繰り返していた
いつの間にかその美しい髪に触れてその顔を自分の方へと押し当てている。
感情が快楽に入り乱れ酷く高ぶる。
先程まで抑えていた感情までもが溢れだす。



「ま…里亞…」

その人名にベアトリーチェは僅か動きを止めて目線をあげる。
戦人の顔は天井を仰いでる。
しかしその指からは涙が溢れている。
「真里亞、真里亞ぁ〜」
押し寄せる快楽の中で小さな子供が母親を呼ぶかのように戦人は幼い少女の名前を呼び続けた。
「は、、…ん………っ…っっ…」

動きを再開した魔女の口の中で絡み付く舌の感触に堪らず戦人は白濁を吐き出した。

荒い息を吐きながら両手で顔を覆い隠す戦人を魔女は口の端を赤い舌でべろりと舐めながら見る。

「興醒めだな、他の女の名前を呼ぶとは男としての質も下がるぞ」

笑いながらまだ荒い息を吐いている戦人の胸に指を滑らせる。

「悪かった・・・・な」

鼻を啜りながら戦人は魔女から視線をずらす。

「・・・・良い、今回はもう行け」
魔女は戦人から体を離す。
「どういった風の吹き回しだよ」
気怠そうに戦人は魔女に話し掛けた。



「小さな魔女を賞して…な」



先程まで今は散り行く薔薇園の中、雨に打たれながらも戦人はあの小さな肢体を抱き締めていた。
少しずつ熱が失われて行く体を少しでも暖めようと強く抱き締めただおろおろとする。流れる血は止まらない確かに熱を持っていたというのに。雨で流れ切った血のせいで酷く青白くなった体を思い出す。
守れなかった守りたかった守られた守られてしまった。
ぐるぐると頭の中は後悔が湧き上がりどうしようもない事実に涙すら出なかった。
穏やかな顔は安眠のそれと変わりはなかったというのに。


戦人はただ気怠い体を引摺り立ち上がり外へ向かう。
その際に魔女に向き直ると彼女はお手上げと言わんばかりに両手を上げたので戦人は疲れた顔で笑った。

「記憶は引き継げぬぞぉ?右代宮戦人、お前はまた六年ぶりにあった親族として真里亞と出会うのだからなぁ」

戦人はその言葉に少し考えた。

「…そんなんじゃねぇよ。それ以上の感情を抱いたら俺が犯罪者じゃねぇか。


ただ…」

ただ、なんだろう。

続く言葉が思い浮かばず戦人は力なく再び扉を開けた。

『小さな魔女を賞して』

空を見上げる。
雨は止んでいて雲は割れている。その隙間から日が差し込み遠くにはうっすら虹が掛かってる。
ああ、そうだ今回はあいつの事しか考えれなかった。
守ると言われた。守ろうと思った。
九歳の女の子が夢見た幸せな世界が本当にあるというなら共にしてもいいと本当に思えた。

空気が酷く清々しい。


「ただ、ああ、そうだ、ただ・・・・あの不気味な笑い声とか、変な口癖とかまた聞きたいんだよなぁ・・・・」

無邪気な笑顔とか愛らしい声とか
『なんだ・・・本当に犯罪者くさいな俺・・・・』


それにしても
今回も黄金郷への扉は開かれそうもない。

あいつも、ベアトリーチェもいい加減、災難だな。などと考えながら歩く。
お互い酷い拷問の中に身を置いているのだ。解放されないのはお互い様。


『静かに、眠れる場所へ行こう』


今回はもう疲れてしまったから。
早く彼女に会いにいこう。

真直ぐ歩けば会えるような気がしてきた。
海の匂いがここまで鼻に付く。薔薇園を真里亞だった体に見向きもせずに通り過ぎる。
戦人はのろのろと歩きながら自分が眠りにつく妄想をする。すると不思議なもので気が楽になっていく。

そうだまた会えるのだ。

自然と口の端が緩む。
酷く高揚とした気分になり最後には楽しくなってきた。


『真里亞、真里亞…』

戦人は歩き続けた。



恐らくは彼女も今頃、黄金の夢を抱き眠っているのだからと。


直ぐにそこに辿りつく。
それだけを頼りに。











貴方は優秀私は無口








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