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novel
某陸軍士官学校理事長の後悔




私の名は、ミロク。バルスブルグ帝国陸軍士官学校の理事長を務めている。
―――若い頃から軍部での権力闘争に明け暮れ、元帥の地位まで登り詰めた後、この帝国陸軍士官学校の理事長職に就いた。

そんな私の事を、軍部の人間は皆、厳格にして冷徹な権力者と見ているようだ。
…………だが、そんな私にも、十年前を境に 何にも代えがたい、大切な存在が出来た。



テイト=クライン。今や目に入れても痛く無いと思える、私の最高の教え子にして、可愛い可愛い愛息子である。 十年前、あの子を養子に迎えたあの日から、私はテイトを大切に… 大っ切に慈しみ、育ててきた。



そんな私のテイトなのだが…最近どうも様子がおかしい。
……………いつ頃からかというと………アヤナミ君のベグライターになって、一月程経ったあたりからだ。


その辺りからテイトは、こう…色っぽくなった…………というか。
艶っぽく………なったというか。
とにかく、幼さと生来の愛くるしさに加えて、此方がはっと息を飲む程の色香を身に着けるようになった。


そしてテイトが、その色香を発揮する時――――決まってあの男の影がちらつくのだ。
テイトの上司、アヤナミ参謀長官。

………………………………。私は、確かにテイトをアヤナミ君のベグライターにしたいと常々思っていた。
そして、テイトが彼のベグライターとなってからは上司と部下として(強調)、堅い信頼関係で結ばれてくれる事を切に願っていた…。

断じて…!断じて私は、アヤナミ君とテイトとの間に、云わば、その…なんというか、……ふ…ふしだらな関係を…築き上げさせるために…テイトを彼のベグライターにしたつもりなど、全く無い!(怒)


………ぜぇ、…はぁ、…ふぅ。
私とした事が…怒りの余り、うっかり我を見失うとは…


とにかく!テイトを…テイトを… アヤナミ君のベグライターにすべきでは無かった!!!!!


おまけ


参謀部執務室――
「テイト。」
「はい、なんでしょうか、アヤナミ様。」
「今度の休暇だが―ミロク様にお会いしたいのだが…お前の方からそれとなくミロク様に話を向けて、許可を取ってくれないか?」
「?…別にかまいませんが…あの、アヤナミ様がご自分で仰っては、駄目なのですか?」
「……ああ。おそらく、無視されるだろうな。」
「えぇ!?そんな…でも、」
「うん?」
「あの…どういった御用件何でしょうか?」
「……。」
「あっ…!すっ、すみません、…オレ、余計な事を…(しゅん)」
「!!(動揺)……テイト。」
「はっ…はい!」
「ミロク様に、私達の事を認めてもらう為だ。」
「………え?」
「もう一度、言ってやろうか?」
「あの…」
「ミロク様に報告するのは嫌か?テイト。」
「そっそんな事はっ!///」
「ならば、行こう、テイト。」
「…はい。///」

――1週間後、ミロクの絶叫が響き渡った。

end

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あきゅろす。
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