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childhood
「僕が読んであげるね」
「うん、ありがとう。レイ」
 私が礼をいうと、弟は嬉しそうに笑い、絵本の文章をたどたどしい声で読みはじめた。
 私はそれを聞きながら朝食を平らげると、私や弟が病気のとき、必ず出てくると言っていいリンゴのウサギ‐アベルがいつも剥いてくれる‐が出されると、それを弟と二人で食べた。
 リンゴのシャキシャキした食感、アベルとトレスのやさしい眼差しと、弟レイの気遣いで、私は元気を取り戻していった。













―私は、それからしばらくは祖界とゲットーの境には近付くことができなかった。
 また、弟やアベル達を不安にさせたくなかったから…
                                                                

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あきゅろす。
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