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「怖いかたなのですか?」
『うん、怖いといったら怖いかな?コーネリア姉上だし』
しめたと思った。
裏がとれたのだ。
これで安心して依頼主にレポートを提出できる。
頬の肉が緩むのを感じた。
・・
「あのコーネリア殿下ですか?」
『そう、あのコーネリア姉上だよ』
私の驚いたような声に、彼は笑いながら答えた。
『エリア11は、一番抵抗運動が激しいところだからね。クロヴィス兄上の後任としてふさわしいとシュナイゼル兄上あたりが思われたんじゃないかな』
そう、彼は自分の見解を述べた。
『それはまぁ、置いておいてね、マーシャ』
「はい?」
『ナイトメア搭乗訓練は、まだだったよね?』
「ええ、まぁ」
『コーネリア姉上に、いい騎士を教官につけてもらえるよう頼んでみるけれど、いいよね?』
「あの、兄様…?」
一瞬、なにを言っているのかわからず、返答に迷う。
『君はおてんばさんだから、中途半端に技術を身に付けたら大ケガするかもしれないだろう?』
はて、私はエセル兄様がおてんばと評するようなことをしただろうか?と考える。
なにも思い浮かばない…。
『アクエリアス宮の屋根のうえに登っていたのは君でしょ?』
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