childhood
父、ルーカス・フレデリックにとって、私たち姉弟は期待外れの子供たちだった。
最初の子供の私は女の子。
息子のために用意していた名の女性形に変え、「マーシャ」、セカンドネームはそのまま「アレクシス」と名付けた。
そして、ようやく生まれた息子は、身体の弱い子供。
弟は頭がよく、心の強い子なのに…。
でも、神聖ブリタニア帝国では、弱さは罪。
失望するには充分な理由。
そして失望は、そのまま無関心に繋がった。
私たちを使用人たちにまかせ、仕事に没頭していた。
母は、そんな夫である父とは違い、私たちに愛情を注ぐ人だった。
亡くなる直前まで…。
遺された私たちは、広い屋敷で二人ぽっちになるはずだった。
母が残してくれた、二人の護衛と言う名の騎士。
彼等がいてくれたから、私たちは幸せに生きてこれた。
だから、私は弟と彼等のために、ブリタニア以外の故郷を探していた。
弟の車椅子を押して、彼等と街を歩くときも、祖父母に連れられ、一族出身の后妃様とその御子たちのもとへむかうときも。
だけど、それはまるで、急に向こうからやってきた。
「エリア11」、日本という場所で…。
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