Incident
【ゼロ】が枢木スザクを保護し、運転手ととも高架下へとワイヤーを伝って逃げる。
それを阻止しようとライフルを構えたサザーランドに、ジェレミア卿が制止した。
「…!私の命令に従えないのか!?いいな、全部隊に徹底させろ、全力をあげて奴らを見逃すんだ!」
その文法的におかしな言い回しの命令に、内輪揉めめいた騒ぎがまきおこり、まんまと【ゼロ】と枢木スザクは待機していた民間作業用ナイトメアに乗り、道路上の騒ぎを尻目に闇へと消えていった。
…数時間後、【ゼロ】とともに逃走、いや救出された枢木スザクは、自ら出頭してきたという。
彼の冤罪は、【ゼロ】により晴れた。
だが、今回の事件で軍内部、特に純血派にはジェレミア卿に対する疑惑という名のシコリが残された。
この事件で初めて姿を現した【ゼロ】に、私と弟はひどく興味をそそられた。
「凄いことをするひとがいるんだね」
夜眠る前、弟は興奮した顔で私に告げた。
弟の言葉に私は頷いた。
このときまだ、自分が【ゼロ】と関わることなど考えられず、ただ単に面白い人物が現れたくらいにしか思わなかった。
しかも、彼が世の中をひっくり返すことをなるとは…
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