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Incident
 襟を立て、全身を被うマント。
「黒のキングみたい…」
 レイが呟いた。
「チェスの駒だよ。姉様」
 怪訝そうな顔をしたらしい私に、レイは教えてくれた。
 そう言われてみれば、そう見えるかもしれない。
 その【黒のキング】が、ジェレミア卿に名乗った。
「私は…ゼロ!」
 そして彼が指を弾くと、車の上部が外れ、丸い毒々しい色のカプセルが現れた。
…リポーターの声以外の音が消えた。
 ジェレミア卿達と、【ゼロ】の間の時間が止まったように感じた。
「わかった、要求は?」
 あのカプセルは、なにか軍にとって都合の悪い物らしく、話にのることにしたらしい。
「交換だ。コイツと枢木スザクを」
「笑止!この男はクロヴィス殿下を殺めた大逆の咎。引き渡せるわけがない!」
【ゼロ】の要求を、ジェレミア卿は退けようとした。
「違うな間違っているぞ、ジェレミア!」
 ジェレミア卿の言葉に【ゼロ】は、答えた。
 そして、テレビの前にいたものや現地の見物人たちを驚かす言葉を【ゼロ】は放った。
「犯人はソイツじゃあない。クロヴィスを殺したのは…この私だ!」
 己の犯罪を告白し、枢木スザクが犯人ではないと告げる。

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あきゅろす。
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