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Incident
 これは純血派にしてみれば、犯人が見付からないと言うリスクを負わず、名誉ブリタニア人部隊に“日本国最後の首相”の遺児がいることを利用し、これを軍から名誉ブリタニア人を追い出せる一石二鳥の機会と考えた結果だろう。
 それを証拠にテレビやラジオの派手な追悼番組の攻撃に、私達が飽きたころ、この犯人逮捕のニュースがながれたのだ。
 オマケに犯人、いや“犠牲の小羊”を形式だけの裁判所に連行するのにド派手なパレードをしたいらしく、人を集めているという。
 嫌らしく、下品な発想だ。
 そんな馬鹿らしいことに付き合っていられないと思ったまま、その日が来た。
 
 いつも通り帰宅してテレビを着けると、両側を群衆で埋め尽された道路を、粛々と護送車と警護のナイトメアが進んでいる場面が映った。
 どのブリタニア人向けのチャンネルも、この映像で埋め尽されている。
 うんざりしながらレイとテレビを見ていると、画面の端に白い車が立ち塞がるように止まっていた。
 パレードが止まり、TVカメラは白い車の上に立つ人物の全身を大きく映し出した。
 奇妙な格好…。
 彼の印象は、そんなだった。
 頭全体を隠す黒い仮面。

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あきゅろす。
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