[携帯モード] [URL送信]
Incident
 
…それは前代未聞のこと。
 そう言うしかない。
 作戦行動中で警戒厳重なはずのG1ベース内の要人を、誰にも邪魔されずに暗殺してのけることは。
 我々ブリタニア人社会は、大騒ぎだった。
 だから…。
“いったい、どういう魔術を使ったのだろう。”
…そういう疑問を置き去りしたまま、犯人が捕まった。
 名誉ブリタニア人兵士だという。
 私は、犯人らしい犯人ではないなと思った。
 名誉ブリタニア人兵士たちは、最前線に投入される。
 いくら停戦命令が下されていても、G1ベースに直接たどり着く時間はない…はずだ。
 逮捕したのは、純血派と言う軍人グループで、なかなか侮れない勢力を誇る連中だった。
 彼らは、ナンバーズである名誉ブリタニア人を排除し、ブリタニア人のみで軍を構成しようと唱えている。
 その代表者、ジェレミア・ゴッドバルト辺境伯が総督代理となった途端、暗殺犯が見つかったとか、犯人は名誉ブリタニア人だったというのは、実に都合がよいというのが私の感想だった。
 そして、犯人の名前‐枢木スザク‐と略歴‐最後の日本国首相の息子‐を聞いたとき、ますます都合がよすぎると感じるしかなかった。

[*前へ][次へ#]

2/6ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!