Incident
…それは前代未聞のこと。
そう言うしかない。
作戦行動中で警戒厳重なはずのG1ベース内の要人を、誰にも邪魔されずに暗殺してのけることは。
我々ブリタニア人社会は、大騒ぎだった。
だから…。
“いったい、どういう魔術を使ったのだろう。”
…そういう疑問を置き去りしたまま、犯人が捕まった。
名誉ブリタニア人兵士だという。
私は、犯人らしい犯人ではないなと思った。
名誉ブリタニア人兵士たちは、最前線に投入される。
いくら停戦命令が下されていても、G1ベースに直接たどり着く時間はない…はずだ。
逮捕したのは、純血派と言う軍人グループで、なかなか侮れない勢力を誇る連中だった。
彼らは、ナンバーズである名誉ブリタニア人を排除し、ブリタニア人のみで軍を構成しようと唱えている。
その代表者、ジェレミア・ゴッドバルト辺境伯が総督代理となった途端、暗殺犯が見つかったとか、犯人は名誉ブリタニア人だったというのは、実に都合がよいというのが私の感想だった。
そして、犯人の名前‐枢木スザク‐と略歴‐最後の日本国首相の息子‐を聞いたとき、ますます都合がよすぎると感じるしかなかった。
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