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Secret Work
 中等部の二年生になるころには、ハッキングは趣味の領域を越えてしまっていた。
 しかも、ヘタをしたら警察や軍に連行されるような場所にまで潜り込み、情報を取りだし、それを売るという実益を兼ねはじめた。
 お客は主に“キョウト”と呼ばれる組織。
 私は偽名で銀行口座を作り、それで報酬を受け取るようにした。
 報酬さえ受けとれれば、あとは“キョウト”が、どこのレジスタンスに情報が流しても構わないと思った。
 私は、俗にいう“主義者”、ブリタニア人でありながら国のありかたを否定する者になっていた。
 いや、それを気取っていた。
 だから、このエリアの人々のブリタニアからの独立と、その活動の手助けになるという自己満足に浸っていた。
 自分は、死んだ母のような勇気がなかったから。
 偽善者と言われようと気にせず、本国のスラム街に乗り込んで、炊き出しをしていた母のような…。
 だから、情報屋と言う仕事を選んだ。
 
 今日も、必要な情報を指定のメールアドレスに送り出す。
 中身は、ある研究施設の警備システムや内部構造。
 依頼主はいつもの“キョウト”だが、実際はどこかのレジスタンスが襲撃するようだ。

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