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Schooldays
 私達は、彼等になにも返していない。
 もらってばっかりだ。
 親の愛情のようなものやその他いろいろ、端からみれば主従関係の枠を越えたようなアベルやトレスの気遣い。
 それが、彼等の首をしめるのではないかと思うと、単純に喜ぶことができない自分がいる。
 それが、かなしい…。

「なんなのよ〜〜〜あれぇ」
 部屋に入った私は、思わず叫んだ。
 部屋の、部屋のなかにあったのは…。
「コスモ・インテリジェンス社の超ハイスペックPCの最新版じゃない!!」
 叫んでいる私の横で、「お嬢様、はしたのうございます」と家政婦のミセス・ヒンクリーがたしなめてきたが、無視をしてアベルとトレスに詰め寄る。
「お嬢様、欲しがっていらしてたでしょ?」
 確かに欲しがっていたけど、口にはしていない。
 父に頼み込んでもいい顔をされないし、とても高くて私のお小遣いでもなかなか買えないから、諦めかけていたのに。
「まさか貴方たち、借金なんかしてないでしょうね!?」
 口について出たのは感謝の言葉ではなく、叱責の言葉…。
 しまったと思っても、もう遅かった。
 言えなかった言葉を飲み込み、唇を噛み締めると、視界が少し歪んだ。

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