Schooldays
ご学友と呼ばれる立場としては、自分の家がバックにいる方か、その方と仲のよい方ならいいが、そうではない方もいると言う理由からだ。
「まぁ、どこの学校へ行ってもおなじかなぁ?」
「さぁ、私にはわかりませんが、これから面白くなるんじゃありませんか?」
そうだった忘れていた、アベルは私設軍の養成所しか学校と言うところを知らないってことを。
…恥ずかしい、自分が。
表情をかくすため、窓のそとを見る。
「あ、そうそう。私とトレス君で、遅ればせながらご入学祝いをご用意しました」
手をポンっと叩く音がした。
わざと忘れていたのを思い出したフリをするときの、アベルのクセだ。
「お部屋に入ったら、びっくりなさいますよぉ」
本当は、屋敷に着くまで内緒にしたかったに違いない。
それを私が落ち込んでいるように見えたので、早めに教えてくれたのだ。
「べ、別に気にしなくてもいいのに…」
半分本音…。
彼等の給料は、彼等自身のために使えばいいのに、私達の誕生日などの祝い事には、必ずプレゼントを用意してくれる。
嬉しいけど、もらって良いものか迷ってしまう。
彼等に私達はいろいろともらっているのに。
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