Schooldays
私ひとり本国へ帰国させられたほうが、まだよかったかもしれない。
少なくとも知り合いがいるし、そこでなら私は平凡な生徒として埋没できたはずだ。
でもまだ寮に入らず、在宅生として自邸から通学するからストレスは思っているほど少ないのかもしれないけど、よくないこととは知りながら、なるべくひとりになるようにした。
でないとお手洗いまでついてくるし…。
正直、皆の行動が理解しがたかった。
だから、出迎えの車のなかは心が安らげた。
イライラしたまま家に帰って、レイに心配させたくなかったから。
「学校はいかかでしたか?」
「可もなく不可もなく…かなぁ」
自邸へ走る車で、アベルが訊いてくる。
それに私は、ややなげやりに答える。
アベルはそれにニコニコ笑って、聞いていた。
「今の学校って、前の学校より楽しいところかと思ってた」
アベルの笑顔に甘えて、少しグチる。
事実、前の学校‐貴族専用の学校は、自分が記憶する限り楽しいところとはいえなかった。
先に言ったように、平凡な生徒として埋没できるが、短所のような部分があった。
皇族も通ってくるということだ。
気をつかって、疲れる。
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