Prologue
ある日私は、ブリタニアの上級貴族の出でありながら、黒の騎士団に最年少で参加していた女性がいるときいた。
あらゆる手をつくして居場所をつきとめ、林のなかの舗装されていない道を歩いていく。
しばらくすると畑と日本家屋を改装した質素な家が見えた。
その畑を小さな耕運機で耕していた女性は私に気づくと、家に招きいれてくれた。
「私の話を聞きたいってお手紙に書いてあったけど、私よりも面白いお話しをしてくれる方々がいらっしゃるんではなくて」
私に冷たい麦茶をすすめると、そう話を切り出した。
「それはそうですが、ほかの方々にはもう、ほかの書き手がいらっしゃいますし…」
そう、黒の騎士団の幹部の記事や本はいろいろある。
特にゼロの正体を推理する本なんぞ山のように出ていた。
私の興味は、横で同じように麦茶を飲むこの女性だった。
「私の話なんて、面白くないわよ?」
「そうでしょうか…?」
ニコニコ笑う彼女に、私は苦笑いを浮かべる。
「でも、藤堂将軍と紅月隊長の紹介だから」
いいわよと言うと、一度奥に行き、アルバムを持ってきた。
それを開く。
「あまり、写真とかないんだけど…」
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