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アヴィラ
9
「駄目ですよ?何度も教えたでしょう?イクのはこの穴に私を飲み込んでからだと。ほら、こちらの方が覚えが良い。入れてくれと柔らかく口を開いている。」

そんな事を言ってレイスは私の中に入っている2本の指をグニッと開いた。

「ひぐっ……!」

「ふふ、物欲しそうにヒクヒクと飲み込もうとしてますね。じゃあ挿れますからね。」

「ああああぁぁぁぁあ!」

指が引き抜きグイッと中にレイスのモノが埋め込まれ、縛られていた紐が外れるとビュルビュルと自分の腹へと射精してしまった。

イっているのに、中を突かれ、まるで終わらない絶頂を迎えさせられる。

「やぁぁぁぁ!中、やぁぁぁ!イッってるのに……ああ、やっ、イッてるのにぃぃ!」

イっている快感を延々と感じ、なのに、中でレイスのそれがグンッと大きくなってある一点を集中的に責めてくると、さらに快感を増した。

「ひがぁぁあ」

「可愛いイキ顔ですね。」

絶えられず勃起する事なく中の快感だけでドロリと出た精液。

胎内の奥で熱いレイスの飛沫を感じた。

私の顔は涙と涎と汗とでぐちゃぐちゃなのだ。

なのに、レイスは「可愛い」と呟きながら私にキスをしてきた。

「好きですよ。ラファー。」

この台詞を聞くのは何度目だろう。

レイスはいつもそう言う癖に、一度も「貴方はどうですか?」と私の気持ちを聞いた事はない。

「何故、聞かないんだ?」

「何がですか?」

「私がお前をどう思っているかを。」

「くすっ……聞いて欲しいんですか?」

「べ、別に。」

「いいんですよ、確かに私は貴方が好きです。ですが貴方はボドリュ家の嫡男。私はグレイドル家の次男ですが、今は宰相をしている。いくら同姓婚が出来るとは言え、私達が婚姻する事は、きっと出来ないでしょう。貴族の世界は旧い風習に囚われすぎている。貴方はいずれ結婚し家督を継がねばなりません。私はあなたの情人でいい。その為には貴方は私との関係を無理に迫られている方が楽なはず……言ったでしょう?ラファー。優しくしてあげると。」

「……。」

「貴族の娘と結婚して家督を継いで下さい。だけど、私は離れてあげません。貴方は強引な私に引き摺られて、ずっとこう言う関係を強いられるんです。そして、貴方の未来の奥方様にバレたなら、こう言いなさい『グレイドルに無理に犯されたのだ』と。」

私の事を抱きしめながら、そんな事をレイスは言う。

「キアルーク陛下の世継ぎの事は心配しないでいいです。約束したでしょう?キアルーク陛下が王になられた暁には宰相として、その努力を惜しまないと。」

レイスはそう言って私を抱きしめた。

そんな事を聞いた数日後。

城で会ったレイスは、腕を怪我していた。

「どうしたんだ!それは……。」

「なんでもありません。」

「だが!」

「平気です、ちょっと斬られただけです。」

「ちょっとなどと言う怪我じゃない!」

「離宮へ入ったら陛下の激怒に触れたのですよ。」

「え?」

「側妾を持ってもらえるように正妃ロイ様にお願いをしに行ったのですが、それを陛下にバレてしまったら、この有様です。」

そんな……。

「私が言ったからか?」

「違いますよ、私はこの国の宰相です。国の未来の事を考えるのは宰相の仕事なのですよ?別に貴方が言ったからじゃない。」

「だが……。」

「うぬぼれないで下さい。確かに私は貴方の事を愛しています。だけど仕事は仕事です。まぁ、無駄な怪我ですけが。正妃様からのお願いも無理のようですし。」

「レイス。」

「そんな顔をしないで下さい。キスしますよ?」

「して……いい。」

「ふふっ、どうしたんですか?今日は素直なんですね?」

「別に。」

「私のこの傷に罪悪感を感じているのなら、それはお門違いですよ?」

「そんなんじゃない。」

そんなんじゃ……ない。

そう言う私の顎を掴んでチュッとレイスはキスをした。

「ラファーはロイ様の事をどう思います?」

「え?」

「城の者達は皆ロイ様を間違った正妃様だと言います。イーラ様の代わりだと。私も最初はそう思っていた。それなのに後宮にも入れられず陛下はロイ様を正妃にされた。」

そう、それは思っていた。

あの時、キアルーク陛下が見初められたのはロイ様じゃないのか?

あの引き合わせた時に何かに引かれるように後ろを振り向きながら部屋へと戻られた小さな陛下。

いや、だが、あの時イーラ殿下と手を取り、お二人で走って行かれたのものまた事実。

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