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アヴィラ
8
それから私は何度もレイスに呼び出され抱かれた。

レイスを拒否できない、あんなに残酷な男なのに。

いつもにっこりと笑っている癖にどこか醒めている目。

なのに、その目が私を抱いている時には熱で潤んでいるように見えるから拒否出来ないのだろうか?

戦が終わった為に、レイスが軍師よりも宰相の仕事をこなすようになると私の仕事は随分と減った。

「こんにちは、ボドリュ卿?」

城の廊下ですれ違ったレイスが、私見て、目を細めながらそう言う。

あの行為の時にはラファーと呼ぶ癖に、城の中では一切親しい雰囲気を排除し、ファミリーネームで私を呼ぶ。

そんなレイスを睨みつけた。

「そんなに睨まないで下さい。」

そう言って私の耳に口を近づける。

「昨日、無理させたのは謝りますから……腰は平気ですか?」

と小さな声で囁きクスクス笑う。

殴りかかろうと腕を上げると、その腕をいとも簡単に取られた。

「駄目ですよ?それともここで犯してあげましょうか?」

「くっ……。」

「ああ、知っていますか?キアルーク陛下がマディスの王子を娶られます。」

「え?」

「マディス王の第二子を貰い受けると言う報告を受けました。その為の法の改正だったようですし。」

「マディス王の第二子?」

たしか……それはロイ様じゃなかっただろうか?

「キアルーク陛下も美形好みだったのですねぇ。隣国にまで噂が広がるほどなので美形らしいイーラ殿下とはどんな方かご存知ですか?ボドリュ卿。」

「え?イーラ殿下?」

マディス王の第二子はロイ様のはず。

「マディス王の第二王子と言えば、この国でも評判の美形だと噂のイーラ殿下でしょう?どうしたんですか?」

ああ、そうだ。

確かロイ様は王子としては認められてないと。

母上様のお体の体調の都合で城にいらっしゃるんだと言う話だった。

母上様を亡くされれば城から出されると言う話を誰かがしていなかったか?

「小さな頃にでもお逢いされたのですかね。我がキアルーク陛下が法を改正されてまで娶りたい方とは。」

「イーラ殿下とは金の髪をされている?」

「ええ、そうらしいですけど?」

「思い出した。」

そうだ。

あの時、ロイ様が……。

「『イーラ様とお友達になられたみたいですね。』と言って……あの時の方か。」

私が離れている間に仲良くしておられ、見初められたのかもしれない。

金の髪の、あの時の王子を。

「ああ、あの時マディスに行った際に仲良くなられたのかもしれない。」

「では、やはりキアルーク陛下が望まれたのはイーラ殿下なのですね?」

「きっとそうなんだろう。」

私はレイスの言葉に頷いた。

だが、それから少し経ちマディスから嫁がれて来た方に皆が驚く。

「え?マディスから来られたのはロイ様だった?」

あの時の優しく、強いお子様。

ロイ様は来られてすぐに離宮へと入られ、外へは出て来られない。

その上、離宮の門前には国軍の衛兵達が警護していて、陛下が「どのような身分の者も離宮へ入ることまかりならぬ」と言う命礼を出された為に誰もロイ様に会う事すら叶わない。

そしてロイ様が来られてから数ヶ月間、キアルーク陛下は離宮にしか渡られなくなった。

それまでは、月に数える程度とはいえ後宮にお渡りになる事もあったと言うのに。

「だから、私は……反対した……ん……ああっキアルーク陛下は……んんっ……前国王様の一粒……はんっ……種。ご兄弟もいらっしゃら……ああんっ!……ない。このまま正妃様のところへと通われ続けば……んんっ……王家断絶してしま……ああんっ!」

「確かに困りましたねぇ?私がどんなに側妾をと頼んでもキアルーク陛下は聞いて下さらない。」

そんな事を言いながらレイスは私の乳首に吸い付いて、赤い跡をつける。

「んっ……あっ、私は今、話を……。」

「ええ、どうぞ?ちゃんと聞いていますから話してください?」

レイスの私室で、このベッドで、何度目になるかわからない行為をレイスは仕掛けて来る。

「ジャガルの息子に……あぁあぁ!」

身体中を舐められて、喘ぎ、濡らされた指で中の良い場所を探られる。

「ここのコリコリ、好きでしょう?」

「ひぐっ!」

「マルスにはもう頼んでみましたよ?本人の気持ちの問題だそうで、頼んでくれる気はないらしいです。」

「はぁぁっ……あっ……あうっ!」

「きついですか?前を縛ってますからね…。イキたいですか?」

紐で縛られた私自身をサワリと撫でられて全身が粟立つ。

私はコクコクと首を縦に動かした。

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