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神経なんか通ってないのに、何故人は触れられると分かるんだろう。

「どうしたの浦風?」

それまで見ていた携帯から隣りの席の浦風に視線を移すと浦風はびっくりしたのか肩を上下に震わせたあと、何でもない、と小さく呟いてにっこり笑う。何でも無いって言われても、今思いっきり人の髪触ってたじゃんよ。それを何でも無いってアンタ…と思っていた所でふと浦風の先輩を思い出した。

「最近、立花先輩中等部に来ないね。」
「何だよお前突然」
「いや、立花先輩の髪綺麗だよなーと思いまして。」

でもそれを考えると2組の左門もだいぶ髪綺麗だよね。サラサラで。あんな暴れまくってるのにサラストって何でだろ…何か悔しいな。

「ね、あとで左門に会いに行こうよ」
「何でまた突拍子も無く…」
「左門にサラストの秘訣を教えて貰おうかと思いまして」
「あいつのあれは作のしつけの成果だぞ」
「何それ。富松ってばそんな事してんのうけるー。」
「てかさお前、」

何よ、そう言いかけて口をつぐんだ。
浦風の茶色を帯びた瞳がじっと私を捉えて離さないから。
私がその浦風の目を観察しているとみるみるうちに顔が赤くなっていく。
そして、離される視線。

「…やっぱ良いや」
「何よ気になるなー」

うなだれる浦風は腕時計が目に入ったのか、「やべ!部活!」と言って立ち上がった。行ってらっしゃい頑張って、そう言おうとしたら私が言葉を発するより少し早く浦風はそうそうと話出した。

「立花先輩な、大学受験で忙しいから来れないんだと思うぞ。」


そう言い残して教室から浦風はバタバタと出て行った。


「そうか、大学かぁ…」


独り言が、私しかいない教室の静けさに溶けて消えた。


「ところでな名前、」
「うっひゃあ!立花先輩!」

急にほっぺに冷たい感触があると思えばそこには受験で忙しいはずの立花先輩。てかアンタいつこの教室に入って来たんだ!

「ななな何ですか先輩」
「先程藤内が言いかけた事なのだがな、」
「“僕も神崎みたいに名前で読んで”って事だと思うよー」
「綾部先輩いぃ!」

何と、立花先輩の後ろには綾部先輩が。びっくり。

「てか何でそんな名前とか…」
「そりゃあ藤内はな、名前、お前の事が好きだからだろ」
「はあっ?!」

何を言い出すんだこのサラストは!

「気付いて無かったの?鈍ちんだね名前は」

鈍ちんとか言うな!アンタが言うと何か可愛いです綾部先輩!てか、え、浦風が私の事好きとかそんなええぇ!!

「ほう、顔を真っ赤にさせて口をパクパクしているぞ。まるで魚みたいだな名前。」
「五月蠅いっ!!」
「そんな所が可愛いのだがな」
「ヒイィィィッ!」

怖い!華道部の先輩怖い!そもそも貴方達何時から私達の会話聞いてたんですか!
そんな私の質問に答える事もなく、立花先輩達は2人を探して来た1年の2人に連れられて教室を出て行きました。とさ。




(明日から浦風と普通に話せる自信ない!)(「あれー?綾部先輩も伝七達も遅いなー」)







作法→華道部設定。
仙様は普通に指定校推薦で大学行きそう。








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