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肌に突き刺さるような紫外線を伴う太陽光が消え去りミンミン鳴く蝉も寝てしまい、空気が少し冷たくなって空はすっかり紺色に染まった午後9時。
塾の夏期講習から帰ると窓から入る風がそよそよと文貴の明るい色をした髪の毛を揺らして居た。

「あ、おかえり名前ー」
「……タダイマ」

しかもちゃっかりこいつ私が帰ったら読もうと思って楽しみにしてた3月のライオン読んでやがるし。あぁ、スミス先輩やっぱ格好いいなーってそれよりも!


「何であんたこんな時間に私の部屋に居んの?!」


部活はどうした野球児!そう問うと文貴はいつも通りヘラヘラ笑って宿題教えてーと語尾を間延びさせて言って来た。
だったら私が来るまで少しは自分で考えて待ってろって話である。


「私さっきまで塾で勉強して疲れてんだから明日にして」
「えー、そんな事言われても帰るの面倒くさいよー」


何だそりゃ。
私は今確実に阿呆面していた。確認はしないけど。


「じゃあ名前ん家に泊めてくれる?そしたら朝一で教えて貰えるし!」
「あーもう別にそれで良いよ」


そう言うと文貴はやったぁと無邪気に笑う。さて、母さんに言って客間を使わせて貰わなきゃ。そう思い立ち上がろうとした時文貴は何故かいそいそと私のベッドに潜り込んでた。


「何やって居るのデスカ水谷クン?」
「何って寝るつもりなんだけど…」


何か悪いことでもある?と首を少し横に傾げてさも当然かのように言うこいつに多少の腹立たしさを覚える。


「や、私のベッドは私が使うからね。」
「一緒に寝ればいーじゃん。昔みたいに」


昔って何年前のことだと思ってんの。そう言おうとした頃にはもう既に文貴は寝息を立てていて、勉強疲れした私はそれを見ても怒る気力すらなくて結局一緒に寝てしまった。








(朝、私を起こしに来たお兄ちゃんに文貴が殺されそうになるのはまた別の話)

















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水谷幼馴染み設定。
お兄ちゃんはロリコン系。







あきゅろす。
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