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初夏にしては暑過ぎる気温とじめじめしている湿気に嫌気が差す。
こんなんじゃ、昼寝もままならないじゃないかと理不尽だと自分でも分かっている悪態を心の中なかでつく。
何で隣りの上原はこんなに気持ち良さそうにすやすやと眠れるんだろうか。寝るには快適とはいえないこの状況でもぐっすりな上原あちゅし君に乾杯。
学校中の生徒が使っている木の板がついた机に暑い、と書いたところで誰が返事してくれるわけでもなくて、結局私は英語の授業を放棄して先程落書きしたそれに突伏する。
あ、案外寝られそうだ。
背中の軸が暗い穴に吸い込まれる感覚がして私は意識を手放した。




浅い眠りから起きると黒板はよく分からないところまで進んでいて、自分はどこまでノートをとったかと確認すれば今日書く予定だったページは新婦が着るウェディングドレスの如く純白なままだった。
仕方なく隣りの名字に見せてもらおうと思ったらどういうことか隣人も夢の中らしい。幸せそうな表情だ。
小さく開いた口から呼吸をする音が微かに聞こえた。
その様子を見ているとさっきまで閉じていた瞼がまた重くなってきて俺はそれに抵抗することなくまた眠りの世界へ飛び込んだ。





僕らはいつだってお昼寝日和


(『よし、36ページ訳せ上原ー』)(『先生ー、上原君寝ていまーす』)(『何?しょうがないやつだ。じゃあ名字ー』)(『先生ー名字さんもでーす』)(『………。』)












起きたら汗でノートが湿ってるなんてあるあるだよね。







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