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涼しい顔する少年の頬を、土方はふにっと引っ張る。そんなことはどうでもよくてね。
「俺が女と寝たと思って妬いてたんだろ?」
にやにやを抑えられなくて言った瞬間、腹部には容赦ない踵蹴り。
くるりと反対を向いた蜂蜜色は、またソファへ座りなおす。
「照れ隠しも…やりすぎは可愛くねェぞ・・・」
「知るか」
まったく、どこまでも素直じゃないガキだ。と土方はため息をつく。
仕方ないだろ、嬉しかったんだから。とはもういうまいが、
やはり嬉しかったのだ。
何気ない、こんなことで焼きもちを妬いてくれることが。
総悟のよこに、土方も身体を沈ませると、その沈みに引っ張られたんです、というように少年は上半身をおとなに預けた。
顔を見せてくれないのは照れているからなのだろうか。それを無理やりにでも見たいのをこらえて、
「さっき寸止めだったんだけど?」
「・・・・・・・・」
「そう、」
「…渡さねェよ?」
努めて冷静に諭そうとしたら、閉じていた瞳を土方に向けた総悟に強く、透った声で言われた。
「誰にもあげねェよ」
もう一度、今度は呟くように。
綺麗な指が土方の黒髪を梳いた。そのまま膝立ちになって上からキスをする。
土方は静かに目を閉じ、総悟の後頭部を掴んで、いいように髪を乱す。
所有物宣言、受け取ったからな。
この冷たい髪も、この熱を冷ます要因にはなりえないと思った。
沖田はかるい。そして自由だ。でも決して軟派なわけじゃない。一度信じたものは他の何よりも大切にする。依存する。
俺の存在もそこまで昇華されたんだな
土方は静かに笑った。
なにも喋ってはいないが、沖田も流れるように笑った。
それは一瞬すぎて、土方の目には映っていなかったけれど。
end
やっと…です。
文体がコロッと変わってるのは許して下さい、3か月以上空いとるんです(大問題)
なちさんんんん!こんなんでよかったらもらってくださいorz
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