HEART's(裏夢小説)
この変態は!22
「薬だ」
低いテノールの声で放った彼。威圧感がハンパない。
いや、そこまでカンに障るようなことしたかな…。
『…ロー、怒ってる?』
そう尋ねれば無口になる。どうすればいいのだろうか。この人、扱いが難しすぎる。
ムスッとしている彼に、顔を覗き込むように顔を近づけた私。
すると、ぐいっと後頭部を引かれ唇に当たる感触。
『ふっ…!?ぁ……んぅ』
いきなりのことに、焦って口を開くと侵入してくるローの舌。ネットリと絡められて頭がボーッとしてくる。
ローはどんどん深いキスへと変化させ、一瞬解放されたかと思えばまた啄むようなキスをしてきた。
数分後、解放された私はローに寄り掛かるようにグッタリとしていた。
『ハァ……ん…ハァ』
ローのトクトクと鳴る心音を聴き入って、ウトウトと目つむった。
「―――――な」
………?
なんか今聴こえたかな…。
『ロー、…なんか言った?』
私がそう聞き返せば、ローは私を抱きしめて。
「次から何かあったとき、俺を頼らないとお仕置き、だからな?」
妖しい笑みを浮かべてそう言うロー。あ、あれ、さっきのだんまりはなんだったのさ。オイコラ←
「いい度胸だな。そんなに俺から離れたくないのか?」
ククッと喉を鳴らし、意地悪な言葉を放つ。
あれ、もしかして私声出てたかな。
ニヤリッと笑ったローを見て、その疑問は確信へと変わった。
この日はなぜか一日中、ローと一緒に過ごすはめになった。
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