HEART's(裏夢小説)
この変態は!19
パーカーのファスナーを下ろし、Tシャツの裾を捲りあげた。
私が恥ずかしがって抵抗しようとしても彼は平然と行動する。
聴診器を胸に当て、心臓の音、呼吸の音を聴く。
ただでさえローの前にいるときは心臓が速く脈打つのに、高熱によって更に心臓はドキドキドキ、と速く脈打っている。
「…そんなに好きか?」
嘲笑うかのように発せられた言葉。喉をクツクツと鳴らし笑う彼。
恥ずかしくなって捲り上がった服を下ろしパーカーのファスナーを一気に引き上げた。
カチャッ
「ミユー、ちゃんと寝てるか?」
そこでタイミングよく入ってきたペンギン。
……私的にタイミングがよかっただけだけど。
「軽い肺炎だ。まだ症状は軽いようだが後から咳が酷くなる。ペンギン、後は任せた」
「了解です…」
ローはそう言い残し、部屋をペンギンとすれ違いに出て行った。
未だにキョトンとしているペンギンに、診察してもらったことを説明すれば、なるほど…と訳のわからない納得の声が聞こえた。
何はともあれ納得してはくれた。
「はい、お粥」
トレイに乗せられた小鍋にスプーン。
蓋を開けて見ればそれは、お粥というよりは雑炊に近かった。
『ペンギン、ありがと』
小さく咳を漏らしながらいう私に、
「礼言われるようなことはしてねぇよ。仲間だしな」
暖かいそのペンギンの笑顔に、心を打たれながらもお粥を一口、一口とスプーンで口に運ぶ。
その日は半分だけ食べ、薬を服用した後、薬の副作用でか自分でも気づかないうちに寝ていた。
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