HEART's(裏夢小説)
この変態は!15
すると、空と同一色の何かが空を羽ばたいているのが目に入った。
空を飛ぶ一羽の鳥。
青い。真っ青。気持ち悪いくらい青い。
よく見てみれば何かを加えているように見える。
……なんだろう。
ほんの興味本意だった。
『"gravity"』
標的は雲一つない空を羽ばたく一羽の青い鳥。私の能力に逆らえるわけもなく、段々と下降してくる。
船の近くに調度良く近づいてこれば鳥を招き入れた。シャチのチョコレートをエサに←
『"release"』
能力を解除して鳥に近づく。私の身長くらいの大きさはあるだろうか。さすがグランドラインだ。
首の辺りを撫でれば警戒をしているのか離れようとする。
『大丈夫よ。悪いことは何もしないから』
そういい、抱きしめる。フワフワの羽毛が気持ちいい。ギュッときつく抱きしめれば、観念したのか今度は抵抗をしなくなった。
「す、すげー」
一部始終を見て、そう言葉を漏らすシャチ。甲板に出ていた他のクルー達も同じことを思っていたに違いない。
ゆっくりと体を離し、微笑む。
『引き止めちゃってごめんね。もう行っていいよ』
私の言葉がわかったのか否や船から飛び立つ青い鳥。その後ろ姿を眺めていると、背後に人の気配。
振り向けばロー。
「これ以上トラブルメーカーが増えたら困るからな。今はお前で手一杯だ」
『わかってる。だから還したんじゃない』
ローの手を引いて、さっきまで横になっていた位置まで連れていき、寝転がる。
ローも、と促せば仕方ないとでもいうような顔をして私の隣に寝るロー。
指を絡ませて繋いだ手。
それから夕方までの数時間、私とローは手を繋いだままその場で昼寝をしていた。
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