HEART's(裏夢小説)
この変態は!6


『私、貴方に一目惚れしたの!』

「…冗談もほどほどにしろ」

『え!?そこ冗談で受け取る?私ホントにローが大好きなの!!』




「へぇー。大好き、ねぇ?」



悪戯でも思いついたような意地悪そうな笑みを浮かべて私を見るロー。

え、なんか危険な感じがする。脳が警報鳴らしてるよ。



『っ………〜〜っ!』



立とうとすれば崩れる足。

あー、もう。最悪だ。こんなときに足痺れるなんて最悪過ぎるよ。

痺れて動かない足を引きずって後ずさる。







トンッと背中に当たる冷たい壁。

冷や汗が頬を伝う。

追い詰められて後ろは壁、顔の横にはローの鍛え上げられた逞しいけど細い腕。


逃げられない。




『あ、ロー、ちょっ、待っ』



段々と近づいて来る船長さんの顔に爆発寸前の思考回路。

私の制止の声なんか聞こえていないかのように、ゆっくりゆっくり近づく。




焦る私にそれを楽しんでいるロー。



『だめっ、やっ!』

「………ククッ」



あと数センチのところでギュッと覚悟して目をつむれば笑い声。











……遊ばれた。


あー、そうだよね。こんなお子様に相手してられませんよね。


『ローのばっ!?』



チュッ



リップ音が聞こえて、脳がそれを理解したころにはローはデスクに向かってた。



ふ、不意打ちなんて卑怯だ。


火照る顔。真っ赤に染まった私の顔を見てローはまた喉を鳴らして笑っていた。

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