エッチな快斗(裏夢小説)
突風のような風が


重い足ノリで家までたどり着き、途中母親に呼び止められても答えず自分の部屋に向かう…。


いつもと変わらない部屋


この部屋から無くなった物は一つだけ…。


快斗


「かっ……いと…」


ベッドに座り快斗が横たわっていたであろう場所に軽く手を置く。


冷えきったシーツに由香の目から出た水滴が頬を伝い落ちる


「ううっ…っかぃ…と…ぁぁあぁんっ!」


出てくる涙と声を止めようと、必死で堪えるが、意思とは逆に止まろうとしない。


ベッドにうずくまり声が洩れないようにする。


「かい…と…うぅっひっく…かぃと」


「どこに…ぃるのよぉ……ぅあぁんっ」


その叫びは静かに暗い部屋に吸い込まれていく


泣き疲れると由香はゆっくり顔を上げる


窓から風が優しく吹きさらし由香の頬の水滴を取り払っていく…


何度も突風のような風が部屋中を掻き回す。


窓を閉めようと近付いた瞬間。


ビュウッ


強い風が吹き、思わず目をつむる由香。


突風が止み、由香が目を開けるとそこに在ったのは暗闇の中に佇む白い影…


マントを羽ばたかせ凛と佇むその影…


夜の覇者のように暗闇を纏い、空の覇者のように風に舞う


ベランダに舞い降りたその影は静かに由香に近付いていく

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あきゅろす。
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