R18 BL short story(BL小説/エロ小説)
初めての夜1


タケルと同棲初めての夜。
これが新婚夫婦なら【初夜】って言うんだろう。
俺たちは男同士…。
でも、俺にとっても初夜みたいなもんだ。

今までは旅行などで一緒に泊まったり、お互いの部屋に泊まったりはしたけれど、一つ屋根の下での生活なんだから。
一緒に住む部屋を探すために不動産屋へ行き、部屋を何件も見て…。
俺はこの時からワクワクしていたけれど、タケルは相変わらず冷静だった。
何か俺だけはしゃいでてまるで子供。

タケルに
『ねえ、楽しくないの??』
と聞いても、タケルは
『いや、楽しいよ』
と言ってはいたけれど、表情は変わらない。

いつもの事だと思っていても、ちょっと寂しかった。


何も無かった部屋に、次々と家具が揃っていく。
無機質な空間が、少しずつ温かみを帯びてきた。
ガランとした部屋を見た時は、ホントに一緒に住むのかな?
なんて思ったりもしたけれど、物が入っていくにつれ…
実感が湧き上がってくる。
部屋の掃除をして、近所の人に軽く挨拶をして…。
実際に、俺たちが落ち着いたのは夜中近くだった。

「なあタケル、風呂は入らねえ?」
「ん、風呂?」
「うん…」

掃除で埃を被ったり、汗を掻いたりしたから綺麗にしたい。
それに、初めての日なんだ。
一緒に風呂にも入りたかった。

でも…
俺の願望に反してタケルは
『じゃあ俺、先に入るわ』
と言ってバスタオルと着替えを持ってスタスタとバスルームへと入って行く。

え???
一緒に入らないの???

呆気にとられてしまい、少しの間、バスルームを見つめていた。
俺もバスタオルと着替えを持ってバスルームへと行く。
行った時には、バスルームの中は湯気で白くなり、さっさと身体を洗っている。
俺の気配に気付いたのか後ろを振り返った。


「なんだサトシも来たのか」
「いいじゃねえか…初めての夜なんだし…」
「ま、いいけど…」

それだけ言うと、また正面を向き身体を洗い始めた。
タケルのバカ……。

でも、そんな事を思っていてもタケルの身体に見惚れてしまう。
日に焼けた肌。ほどよく筋肉の付いた身体。

いつもこのタケルの身体に抱きしめられてるんだよなあ…。

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